庭仕事講座

「フローラルガーデンの庭仕事」H29年2月16日の内容です。次回3月16日は「暮らしの中の庭づくり」庭のデザインと植栽計画の予定でしたが外部講師による講座となるため、チーフガーデナーによる「フローラルガーデンの庭仕事」は今回で終了いたします。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


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「植物が好む環境選び」庭の環境と世界の環境

Working with nature 〜 自然と一緒に仕事をする 〜
自然の法則から離れたところからスタートする庭もありますが、それは大変難しく、お金がかかります。戦わないで、問題を見つけたら自然の声に耳を傾けて下さい。全体を見渡して自然の法則に従うことが「たったひとつの庭」を作り出すことができる、一番簡単で唯一の方法です。
by Alan Titchmarsh

1、自然環境で植物群落を作る要因

植物は森やその他の自然環境の中に存在しますが、決して単独ではなくコミュニティ(群落)を作って生育しています。葉を落とし、植物自体が変化して作り出す環境は、生態系を作り、他の生き物と一緒にコミュニティを形成していきます。目に見えない微生物が細かい部分のコンディションを整え、大きな植物を育てるのに役立っています。
植物は生育環境に合わせて進化し、環境適応した体になっています。そこがどのような環境か知ること、それに適応している植物はどのような植物か知ることで環境にあった植物を選ぶことができます。

① 温度
19世紀初頭、自然学者アレクサンダー フンボルドにより赤道から北極、南極の植物の分布を示した植生帯の等温線地図が作られました。それは単純化しすぎていて、等温線上にある植物の関係性を示すのは難しいものでしたが、植物分布が温度によりつながりがあることを世界に初めて伝えました。
40℃を超える地域では酵素が健全に働かないなどの理由でその地域への分布が難しい植物が増えます。また、零下になる地域では冷たい温度から身を守るため秋に葉を落としたり、地際で春まで小さくなって冬越ししたりする植物が分布します。凍ることで枯死する植物があり、凍ることに適応した細胞に変化して生き延びる植物もあります。このように植物分布を知ることで温度と植物の生育は深く関わりがあることが知られるようになりました。
植物の発芽適温はその植物が自然界でどのような温度で生育するのかを知る良い指標となります。

② 雨量、湿度、土の湿り気
水は植物の命に関わる極めて重要なものです。光合成を行う物質となり、葉緑素生成にも使用し、光エネルギーで糖類生成の働きもします。また、植物体内へ栄養素を運び、健康な植物を育てることにも重量な役割を果たします。
世界中で雨量は異なり、その雨量に合わせた進化をした植物にとって大気中や土中の水分量は生育を左右する最も大切な物質だと言えるでしょう。

③ 日当たり、日陰
光合成の仕組みは光をエネルギーに変えます。すべての緑の植物には光が必要ですが、それぞれ要求する光の量が異なります。
一年草は早く成長するため栄養やエネルギーを多く必要とします。発芽には光を嫌うものもありますが、生育には多くの光が必要です。林床地帯に育つものやゆっくり成長するものは多くの光を必要としません。開けた草原地帯でも曇り空が続く地域に生息する植物は多くの光を必要としません。
庭ではそれぞれの植物の成長にあった光の量を得られる環境で育てることが大切です。

④ 土質
土の材料の多くは岩で、時間の経過や凍ることにより岩が細くなり、砂状になっていったものです。植物は土の支えにより自立できます。土は水や有機物などの栄養素、空気など植物の成長に必要なものを保ちます。
植物の成長に必要なものが一番少ない土質がツンドラ地帯で凍ったピートと粘土の土壌で灰色をしています。温暖な落葉樹の森は茶色い大地です。火山灰が堆積した黒土は農業に必要な栄養素がたっぷり入った土です。熱帯雨林地帯には雨が降り続く雨季と乾季があり、土は鉄分と酸化アルミニウムを含む栄養素が少ない赤土からなる土壌です。このように土の質の違いは土の色にも現れます。
ほとんどの植物はその植物が栄養素を吸収するのに丁度良いph値を持っています。ph6.5を中心に数字が小さい方が酸性、大きい方がアルカリ性で、土中で働く微生物の動きに影響を与えます。

2、庭の環境と植物

① 温度と植物の生育
温暖な刈谷では冬はー3℃以下になる日が少なく、半耐寒性多年草を戸外で越冬させることができます。夏は30℃を超えるような生育が止まる高温の期間が長く、高温の時期に極端な多湿と乾燥の期間もあり、注意が必要です。
② 湿度と夏の一年草 
6、7、9月は高温に加えて雨量が多い為、湿度も高くなります。土壌湿度が高く、高温多湿での生育を好む植物は生育しやすい環境になりますが、8月は降雨量が減るので高温多湿を好む植物にとっては水分が不足しがちになるので気を付けましょう。
また、高温乾燥を好む植物は土壌水分が多い状態を嫌うので、水はけの良い土壌や鉢植えなど乾燥しやすい環境を作る必要があります。

  ◎高温多湿を好む
  〈主な原産地域〉熱帯地域(赤道に近く雨量が多い年中温暖な地域)
  〈向いている植栽場所〉半日陰など湿気がたまりやすい場所
  〈花壇への水やり〉できるだけこまめに
  〈植物の種類〉アンゲロニア、アゲラタム、コリウス

  ◎乾燥を好む
  〈主な原産地域〉乾燥地帯(寒帯ではない、年間を通して降水量が少ない地域)
  〈向いている植栽場所〉水はけの良い土壌や日当たりの良い場所
  〈花壇への水やり〉多少手を抜いてもOK
  〈植物の種類〉ペチュニア、千日紅、黄花コスモス

③ 夏の日照と多年草
同じ敷地内でも場所によって生育環境は異なります。夏越しが難しい多年草でもその植物に合った環境を選ぶことで生育させることは可能です。

  ◎南向き/西向き
  〈土の状態〉乾燥しやすい
  〈光の状態〉1日中日差しがある
  〈夏の温度〉高温になる
  〈向いている植物の性質〉高温と乾燥に耐えられる植物
  〈植物の種類〉常緑の多年草・・・タイム、ローズマリー
         半耐寒性多年草・・・ゼラニウム、ペラルゴニウム

  ◎東向き/明るい日陰
  〈土の状態〉乾燥しにくい
  〈光の状態〉ある程度の光量はある
  〈夏の温度〉高温になりにくい
  〈向いている植物の性質〉日なた好きだが高温多湿を嫌う植物
  〈植物の種類〉耐寒性多年草・・・エキナセア、オダマキ、ペンステモン

  ◎暗い日陰
  〈土の状態〉乾燥しにくい
  〈光の状態〉光量は少ない
  〈夏の温度〉高温になりにくい
  〈向いている植物の性質〉湿気を好む植物
  〈植物の種類〉耐寒性多年草・・・ヘレボラス、アジュガ、ホスタ

④ 刈谷の環境と土壌
刈谷では年間の降雨量の約半分は高温になる6月〜9月に降っています。最近は8月の1カ月、全く雨が降らない年もあり、雨季と乾季を持つ熱帯雨林地帯の気候に近いのではないでしょうか。土壌は赤い粘土質の場所が多く、土の色も熱帯雨林地帯によく似ています。植物を植える際には有機質をしっかりすき込み、土壌改良してから植えることをお勧めします。

 〈参考文献〉The Garden Plant Selector / David Joyce
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年1月19日の内容です。次回は2月16日「植物が好む環境選び」庭の環境と世界の環境。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


セアノサス マリーサイモン

「株分けとさし木」宿根草とシュラブの増やし方

How do you tell when a plant needs dividing? 〜 株分けが必要な時はどんな時? 〜
あなたが植物を増やしたいと思う時、宿根草にとっては株分けして欲しくない時かもしれません。宿根草は大株になる程花をたくさん咲かせ、ガーデンでの存在感が増します。植物が株分けしてほしいかどうかはどのように成長しているかによります。中央が枯死したり、育ちすぎて隣に迷惑かけたり、土のあるところからはみ出したり。宿根草はきっとこんな時に株分けしてほしいのです。
by Alan Titchmarsh

1、宿根草の株分け

宿根草(宿根性の多年草)を成長させる一番の方法が株分けです。多くの宿根草は2〜4年毎に株分けすることで株を健康に保ち丈夫にします。年数の経った特別な植物や貴重な植物は株分けすることで使える植物を増やすことができます。しかし、すべての宿根草が株分けに向くわけではありません。
多くの植物は秋か冬または早春の休眠期に株分けを行いますが、暑く乾きやすい真夏と凍る真冬以外は株分けすることが出来ます。初夏に株分けすると良い植物もあります。プルモナリアやアイリスは新しい根が成長する時期に行うことで株分けによる傷が早く回復しダメージを受けるのを避けられます。株分けした植物は日陰に置いて養生しましょう。どのシーズンに株分けをしたとしても葉を落とすことと湿気を保ち回復するまで守ってあげることで成功させることは可能です。株分けをするために掘り上げた時が土を再生させる良いチャンスです。新しい堆肥をすきこみ有機質を足しましょう。

◎かたまりを形成している植物の株分け
① 親株の周りに子株がついてかたまりを作る高山植物型
〈株分けのしかた〉親株の周りについた子株を優しく引き離す。細かい根がすでについている子株を分けるようにする
〈代表的な植物〉ユキノシタ、大文字草等

② 横すじ状に根がつながる宿根草型
〈株分けのしかた〉横すじ状の根を切るか引きちぎるかして分ける。それぞれの芽に細かい根が残るようにする
〈代表的な植物〉アスター、キク等

③ クラウン状に固まった根になる宿根草型
〈株分けのしかた〉固まった根元に切れ込みを入れ手で引き離すようにする。細かい根はできるだけだけ切らないように
〈代表的な植物〉ギボウシ、クリスマスローズ等


◎球根の種類と株分け
① Bulb バルブ(鱗茎)
〈特徴〉若い葉が変化したもの。下部に円形のベースプレートがある
〈株分けのしかた〉親球根の周りや茎の根元、花後、葉の付け根などに新しい球根ができるのでそれを土に埋めて育てる
〈代表的な植物〉ユリ、スイセン、チューリップ等

② Corm コウム(球茎)
〈特徴〉茎の付け根が大きくなったもの。ひとつの円形の塊の上に芽、下に根が付く
〈株分けのしかた〉親球根の周りに子球根が毎年できるのでそれをとって土に埋めて育てる
〈代表的な植物〉クロッカス、グラジオラス等

③ Tuberテューバ(塊茎)
〈特徴〉茎や根が貯蔵のために肥大したもの。芽が球根全面からものと上からのみ出るものがある
〈株分けのしかた〉休眠期に芽の出る位置が含まれるように球根を切り分ける。芽が含まれていれば根や新芽が球根から出る
〈代表的な植物〉ベゴニア、ダリア、ジャガイモ、サトイモ等

④ Rhizomesライゾム(根茎)
〈特徴〉茎が水平に肥大したもの
〈株分けのしかた〉若い芽と根が含まれているのを確認して切り分ける
〈代表的な植物〉アイリス、アスパラガス、シダ等

2、さし穂が根を出すしくみ

① 根が出る場所
成長する部分を含むさし穂は切られた細胞から新しい根を出す能力があります。植物の茎や葉、根に含まれる成長する部分は活発な分裂細胞(形成層)を持っていて、ちょうど表皮の裏あたり、茎が厚くなっている部分が新しい根が出やすい場所になります。特に節の近くや芽の成長点、根の先端などには活発な分裂細胞が多く集まっています。

② 茎と根のさし穂の違い  
茎と根は異なるタイプのさし穂として成長します。茎で作るさし穂は茎から直接根が出ているように見えますが、実は多くの場合切り口を覆ったカルスから出ています。カルスは細胞を守る塊で、傷つけられると反応し形成されます。根挿しは太い根が切られると細かい根が動き出します。根挿し部分は根と茎、両方の成長する部分が含まれていることが必要です。

③ 植物の増殖能力 
植物の細胞には成長するための重要な遺伝子が含まれていて植物はどの部分から分かれてもオリジナルのように成長します。枝は切られることで成長ホルモンが動きだし、芽や根が成長し始めます。

3、さし穂作りのポイント

さし木は植物の成長サイクルに合わせることが成功するためには重要なポイントです。健康で活力のある枝を選びましょう。根が出るかどうかはそのコンディションが大きな影響を与えます。
① 緑枝挿しsoftwood cuttings(春一番の新梢枝)
〈さし木の時期〉春から初夏。発根まで2〜3週間
〈注意点等〉発根させるには良い時期だが、乾きが早く、病気にも注意が必要
〈代表的な植物〉宿根草の多く、シソ科、アジュガ、カンパニュラ、ユーフォルビア、ペンステモン

② 半熟枝挿しsemi-ripe cuttings(硬くなり始めた新梢枝) 
〈さし木の時期〉初夏〜盛夏。発根まで半年以上
〈注意点等〉落葉樹は葉が付いている間、常緑樹は成育期に行う
〈代表的な植物〉落葉樹の多く、常緑樹の多く、半耐寒性多年草の多く、コニファー、バラ、クレマチス

③ 熟枝挿しhardwood cuttings(熟して硬くなった新梢枝)*その年に成長したもの
〈さし木の時期〉秋〜早春。発根まで半年以上
〈注意点等〉根が出るまでゆっくりだが、病気や乾く心配がない。落葉樹は葉が落ちた後、芽が動き始める早春までの枝を使用
〈代表的な植物〉落葉樹の多く、常緑樹の多く、ラベンダー、バラ、エルダー

④ 根挿しroot cuttings
〈さし木の時期〉晩秋〜早春、発根まで3〜6か月
〈注意点等〉デリケートな植物は早春に行う
〈代表的な植物〉アカンサスモリス、アンチューサ、アネモネ、エキナセア、フロックス、バーバスカム

 〈参考文献〉
The Royal Horticultural Society PROPAGATING PLANTS / Alan Toogood
SUCCESS WITH CUTTINGS / Chris & Valerie Wheeler
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年12月15日の内容です。次回は1月19日「株分けとさし木」宿根草とシュラブの増やし方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
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園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
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黒花ジャーマンアイリスとエキウム ファスツオサム

「植物のパーツ」構造と機能

What is a plant ? 〜 植物って何? 〜
植物はあなたが考えるよりももっと私たちに似ています。もしあなたが過去に戻ることができるなら植物と私たちは共通の祖先だということを知るでしょう。驚くべきことに私たちはバナナと半分は同じ遺伝子を持ち、私たちの血液は植物の葉緑素とほとんど同じです。違いは血液には鉄の分子が入っていて、葉緑素にはマグネシウムが含まれていること。少し大げさに言いましたが、考えてみてください。
by Alan Titchmarsh

1、植物のパーツ

クリサンセマムと梨の木は違って見えます。しかし、構成しているパーツは同じです。すべて花が咲く植物は全く同じ基本的な組織と働きを持っています。根は土から水を吸い上げ、人参のような直根はデンプンとして食糧を貯めています。茎は食糧や水を運ぶパイプです。必要な場所へ必要なものを移動します。茎に生えている毛は風により水分が失われることを防ぐ役割を持っています。葉は大きなソーラーパネルです。光を利用して食糧を作ります。
① 根 (Roots)
2種類の根があります。ひとつはあなたもよく見ることができる、ポットの中や地面に生えている大きい根(branching root)です。それらは地面にしっかりと自身をつなぎ止めるために持っています。もうひとつは顕微鏡でないと見えないくらい小さな根毛(root hair)です。毛根は太い根の周りに生えていて、水と一緒に栄養分を吸い上げます。植物は栄養の固まりを直接食べることはできません。水の中に溶けた栄養を葉から水分を蒸発させるシステムによって引き上げるようにして得ています。

② 茎 (Stems)
固い茎は植物が転ばないようにしたり、葉や花、実をそれらが働くのにちょうど良い位置に留めたりします。長期間生育する植物は表皮が固く木質化します。樹木はより頑丈な骨組みで大きさや重さに強い茎を持ちます。
茎には2つの特別な細胞があります。ひとつは「木質部(xylem)」で水や栄養素を葉や茎に運びます。もうひとつは「師部(phloem)」で、デンプンなど光合成によって作り出されたものを植物体内に運びます。これらは成長に使われる他、根に運ばれ蓄えられます。

③ 葉 (Leaves)
葉は植物の発電所(powerhouse)です。葉の中の葉緑素を使って太陽光と大気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水を化学反応(光合成)させ、デンプンなどを作り出します。デンプンは植物のパーツになったり、根などに蓄えられたりします。光合成により酸素も生み出されます。

④ 花と種 (Flowers and seeds)
花は植物を再生するための方法です。花の中の雌しべから作られる種を含む果実は次世代を生み出します。花びらは受粉のための昆虫を呼び込むサインを出しています。種は光や水、栄養素が得られるより良い条件の場所で生きるため、親から離れてひとり立ちをします。

2、花のタイプ

いくつかの花が咲く植物は昆虫により受粉されます。そのため大きく、カラフルに、香りよく、蜜たっぷりの花になります。
① デイジー型 (Daisy-like flower)
花びら1枚の小さな花が集まって中心から放射状に円形を作り、ひとつの花のようになっているもの。キク科植物など。

② スパイク型 (Spike)  *スパイク=先の尖った犬釘
まっすぐ伸びた茎に柄のない小さな花が等間隔に並び、細長い花序を作っている。ラベンダーなど。

③ レシーム型 (Raceme)  *レシーム=円すいまたは円柱形に小花が並び下から咲いていく花のこと。総状花序。
スパイク型に似ているが、特徴としてはそれぞれの花に短い柄があり、メインの茎から伸びている。バーバスカムなど。

④ パニクル型 (Panicle) *パニクル=円錐花序
レシーム型に似ているが、特徴としてはそれぞれの花の柄が枝のようになり、先端に花をつけて全体のまとまりを作っている。かすみ草など。

⑤ コリン型 (Corymb)  *コリン=散房花序
レシーム型に似ているが花の柄が長く、上部でフラットな形の花の塊になる。ノコギリソウなど。

⑥ アンベル型 (Umbel)  *アンベル=散形花序
アンベル型はたくさんの花の塊が先端に付いた花の柄に放射状につき、とても幾何学的なパターンになる。傘の先端に花がついたような形。ディルなど。

3、植物を発展させる機能

① つる性植物のつる
つる性植物の先端の茎は他の植物やフェンスをつかむのにぴったりの素敵な装置を持っています。彼らの茎はジャンプするカエルのように競争相手の頭を超えて光を独り占めします。そしてトラブルを避けて伸びる道を選ぶことができます。

② トゲ 
つるバラが持つような植物のトゲは後ろへ反り返った形をしています。長く伸びた茎は他の植物を超えて這って進み、強力な鉤爪のようなトゲによって茎を引っ張り下ろすことができなくなります。それは樹木に絡みつくのをサポートし、その場所に茎を留めておくのに役立ちます。しかし、壁のようなフラットな面には役に立ちません。

③ 巻きひげ
巻きひげはつる性植物の茎や葉が変化したものです。スイートピーやブドウはつり革につかまるようにネットやトレリスにつかまります。クレマチスは巻きひげを持っていません。しかし、葉の柄で巻きひげと同じようにつかまることができます。

④ 巻きつく茎
巻きつく茎は多くのつる性植物が利用している方法です。ハニーサックルやフジ、ツルマメなどはらせん状に茎を送って登らせます。彼らは茎を湾曲させることで、まっすぐ伸びるよりも多くの方向に向かって行くことができます。巻きつく場所や効率良く日の光が直接あたる場所を探して成長を助けます。

⑤ 粘着パッドのあるもの
粘着パッドを持ったアメリカヅタやその仲間たちは壁にくっつきます。粘着パッドは長い間しっかりとくっつくため貴重な構造物にダメージを与えることもあります。彼らはつまらないコンクリート壁のような場所や急勾配の土手、隠したい構造物などを素早く素敵なグリーンで覆ってくれます。

⑥ 気根
気根はアイビーやツルアジサイなどが何もない壁や木の幹にくっつくために使います。彼らが硬い何かに触った時、素早く短い密生した根を茎から成長させます。気根は隙間に侵入し、厚みを増してその場所へ彼らを固定します。表面が古いブロック壁の場合、ひび割れが広がることもあります。

⑦ 花と受粉
植物が成熟期になった時、彼らは花をつけます。しかしいくつかの植物は花を咲かせるまでに何年もかかることがあります。花は彼らをただ装飾しているだけではありません。それは彼らの生命活動の最後のゴールです。種を作ることは’種(しゅ)’が生き残ることを確実にすることです。

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年11月17日の内容です。次回は12月15日「植物のパーツ」構造と機能。
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バーバスカム シックスティーンキャンドルズ Verbascum chaixii 'Sixteen Candles'

「景色をつくる植物達」植物の名前と分類の基本

What is a gardener’s latin ?  〜 ガーデナーのラテン語って? 〜
すべてのガーデナーはラテン語の植物名を知ることが大切です。はじめは混乱するかもしれませんが、隠されたキーワードを発見すると、名前が謎を解いてくれます。
by Richard Bird

1、植物の名前と分類

① 植物の学名と科名
スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネ(1707ー1778)が、花の構造から種類を区別、分類し、二名法と呼ばれる方法で表した植物のラテン語名を「学名」と言います。基本的な学名は初めに「属(グループ名)」2番目に「種(個体名)」がついています。
また、幾つかの同じ特徴を持つ属を集めて「科(ファミリー)」としてまとめられています。科名だけでもわかるとその植物のおおよその性質はわかります。
例:Helleborus orientalis ヘレボラス(クリスマスローズ)属のオリエンタリスはキンポウゲ科(Ranunculaceae)

② 植物の和名と英名
植物の名前は地方によってそれぞれ呼び名がつけられてきました。同じ植物でも俗名や方言名があり、個体を区別することが難しいこともあります。日本人が呼んでいた日本語の名前が和名、英語圏の人が呼んでいた名前が英名です。昔から栽培されてきた植物には和名がついているものが多く、近年海外から導入された植物は学名や英名をそのままカタカナにして表記しているものが多くあります。個体を特定するためにはできるだけラテン語の学名で覚えることをお勧めします。

③ 植物の分類群
植物は性質の類似性や相違性をもとにいくつか仲間に分け、階級を持った群にまとめられています。リンネの時代には種内の分類はありませんでしたが、ダーウィン以後、生物の変異性を認められるようになりました。大きいグループの順に「目」→「科」→「属」→「種(変種、品種)」

Order/目(もく)・・・語尾はすべて-ales
Family/科(か)・・・語尾はすべて-aceae
Genus/属(ぞく) ・・・人名でいう名字や会社の所属にあたる
Species/種(しゅ)・・・オリジナルに対して花色や葉色で区別する。変種(Variety)、品種(Form)に分かれる。

2、植物の性質別分類

① 一年草(Annuals)
1年間のうちに発芽、成長、開花、種の成熟、枯死のライフサイクルが完結するものを一年草といいます。 日なた好きの植物が多く、種で増やします。原産地の気候に近い場所ではこぼれ種で増えますが、種をとって保管し、適切な時期に管理しながら種まきをする方が発芽率が良くなります。庭で植栽される一年草は通常ひとつのシーズンで一生が終わりますが、季節の花壇苗のようにひとつのシーズンが終わるごとに抜き取られる一年草扱いの多年草もあります。

② 二年草(Biennials)
発芽した年、1年目は株が大きくなるだけで2年目に花をつける植物。 比較的種で増やしやすいので、耐寒性一年草のように秋に種まきをします。 大株になるので庭の中で存在感のある花になります。花が咲き種をつけると株が枯れるものがほとんどですが、数年株が残り、短命の多年草のように使うことができるものもあります。ジギタリス、バーバスカム等

③ 多年草(Perennials)
3年以上生育できる草本植物(樹木に対して草もの)のことを多年草と言います。その中でも秋に地上部が枯れ込み根だけで冬越し、春に再び成長する植物が宿根草です。また、茎が木質化しての残る丈の低い亜低木も含めて多年草と言っています。基本的に宿根草は耐寒性のあるものですが多年草は耐寒性のあるものからないものまで様々です。数年で枯れるものもあるのでさし木や種で増やすと良いでしょう。

④ 樹木(Tree・Shrub)
茎が木質化し固くなり、数十年以上成長し続ける植物。

⑤ つる植物(Climbing plants)
壁やパーゴラ、アーチなどに絡ませて景色を作ります。常緑性と落葉性があります。落葉性のものは通常冬に休眠のため葉を落としますが、夏に葉を落として休眠するものもあります。

◎植物の性質別分類表

① 一年草
【耐寒性一年草】 Hardy annuals(HA)
  特徴・・・耐寒性あり(ー10℃くらいまで)。日当たりを好む。春の花壇向き
  代表的な植物・・・アリッサム、ビオラ、アグロステンマ等
【半耐寒性一年草】 Half-hardy annuals(HHA)
  特徴・・・耐寒ー4℃以上。日当たりを好む。春または夏花壇向き
  代表的な植物・・・ヘリオフィラ、ハナビシソウ等
【非耐寒性一年草】 Tender annuals
  特徴・・・0℃以下は生育不可。夏花壇向き
  代表的な植物・・・アゲラタム、ベゴニア等
【一年草扱いの多年草】HHP treat as HHA
  特徴・・・0℃以下は生育不可。種から一年草のように育てるか、挿し木で栄養繁殖させる。夏花壇向き
  代表的な植物・・・コリウス、アンゲロニア、ハイビスカス等

② 二年草 
   Biennials  
  特徴・・・耐寒性あり。種をつけると枯死。種で増やしやすい
  代表的な植物・・・ジギタリス、アンチューサ等

③ 多年草
【落葉耐寒性多年草(宿根草)】Hardy perennials(HP)、Perennial herbaceous plants
  特徴・・・半日陰向き/夏の直射日光を避けた東向きの花壇や日陰
       日向向き/直射日光OK
  代表的な植物・・・半日陰向き/フロックス、エキナセア等
           日なた向き/宿根サルビア等
【常緑耐寒性多年草】Hardy perennials(HP)
  特徴・・・耐寒性あり(ー10℃くらいまで)日当たりを好み、乾燥に強い
  代表的な植物・・・ラベンダー、ローズマリー、タイム等
【半耐寒性多年草】Half-hardy perennial(HHP)
  特徴・・・耐寒ー4℃以上日当たりを好み、乾燥に強い
  代表的な植物・・・常緑半耐寒性多年草/ゼラニウム、ペラルゴニウム等
           落葉半耐寒性多年草/レモンバーベナ
【非耐寒性多年草】Tender perennial
  特徴・・・耐寒0℃以上(0℃以下は生育不可)日当たりを好み、乾燥に強い
  代表的な植物・・・コリウス、アンゲロニア、ハイビスカス等

④ 樹木
【落葉高木】Deciduous tree
  特徴・・・秋に葉を落として休眠し、春に芽を出して成長
  代表的な植物・・・カツラ、ジューンベリー、ヤマモミジ等
【常緑高木】Evergreen tree
  特徴・・・葉をつけたまま冬越しし、新芽と入れ替わりで葉を落とす
  代表的な植物・・・オリーブ、シマトネリコ、常緑ヤマボウシ等
【落葉低木】Deciduous shrub
  特徴・・・秋に葉を落として休眠し、春に芽を出して成長
  代表的な植物・・・コデマリ、ユキヤナギ、ウツギ等
【常緑低木】Evergreen shrub
  特徴・・・葉をつけたまま冬越しし、新芽と入れ替わりで葉を落とす
  代表的な植物・・・ツゲ、サツキ、ボックスウッド等

⑤ つる植物
 Climbing plants
  特徴・・・つる状に茎を伸ばし、他のものに巻きつきながら成長
  代表的な植物・・・クレマチス、ハニーサックル等

 〈参考文献〉
A GARDENER’S LATIN / Richard Bird
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh
植物系等分類の基礎 / 山岸高旺 編


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年10月20日の内容です。次回は11月17日「景色を作る植物達」植物の名前と分類の基本。
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ワイルドオーツ Chasmanthium latifolium

「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方

What is pruning ? 〜 剪定って? 〜
ガーデナーの悩みの種、剪定。しかし、多くの植物はそれを必要としていません。悩みを解決する良い方法は、考えるのをやめ、自分自身に問いかけることです。
「あなたは初め、なぜ剪定が必要だと思ったの?」
by Alan Titchmarsh

1、草本性植物の剪定(一年草、二年草、草本性多年草)

① ストッピング ・・・若い株の枝数を増やし株にボリュームを出させ花付きを良くする作業
まっすぐ1本伸びた茎を「止める」ことでブッシュ状にする作業。5〜7.5cmで切ると地際から枝を出し、より良い形で葉や花をつけます。

② ピンチングアウト・・・成熟した株の切り戻し、整枝
やわらかい芽やダメージを受けた芽、古い枝を切り戻す作業。切り戻すことで植物自身が新しい芽を動かすのを手伝うことが出来ます。花の咲く位置を低くしたり、葉を形よく作ったりすることも可能で、夏咲きの植物にこまめに行うと花付きが良くなります。

③ 花がら摘み・・・株を老化させず花を長く楽しむためと美しい景色を維持するために行う作業
花がら摘みは植物に種をつけさせないようにする作業です。しかし、植物は常に花芽をつけることをし続け枯れるまで種を生み出し続けるでしょう。花がらを摘む位置やタイミングはそれぞれの植物に合わせます。

【長い花柄の花】長い花柄の付け根から花柄ごと取り去ります。成長点の周りは余分な花柄を残さずきれいに保つようにしましょう。(ex.ゼラニウム)
【短い花柄の多花性の花】個々にしぼんだ花を指でつまんでとります。(ex.フクシア、ペチュニア)
【バラ類】バラにとって花がら摘みは良い剪定になります。剪定ばさみを使い、枯れた花とともに15〜23cm切り戻します。切るのは葉の付け根のすぐ上。茎の下に新しいシュートを見つけた場合はその上で切ると早く新しい花芽がつきます。房咲きの花は咲き始めの1つだけは先に、終わった時切り取ります。房咲きの花全体が咲き終わった時は15〜23cm切り戻すと次の花付きが良くなります。個々の花はしぼむ度に摘み取ります。
【球根類】茎の上のしぼんだ花のみ摘んでとります。茎はそのまま残し、枯れかけている茎の中の栄養分を球根にもどすようにします。それは次の年の花を大きく咲かせる手助けとなります。
【細かい花のかたまり】細かい花の花がら摘みは不可能です。神経質に気にしなくても良いです。時々伸びてきた花を切り戻し、形を整える程度にしましょう。(ex.アリッサム)

2、木質性植物の剪定(樹木、シュラブ、木質性多年草)

① 形を作る剪定(発達させるために行う、形を改良する早い段階の整枝)
② 植物の形と習性を読む剪定(シュートを出させたり、弱い部分を復活させたりする)
③ 大きさを抑える剪定(高さや広がりを制限する)
④ 必要のない枝を取り除く剪定(弱枝やクロス枝、こすれ合う過密な成長枝を取り去る)
⑤ 4D枝を取り除く剪定(DEAD・枯枝、DISEASED・病気の枝、DYING・死にかけている枝、DAMAGED・痛んだ枝を取り去る)
⑥ 開花を改良する剪定(咲かせたい位置での開花、剪定により花付きを改善)
⑦ 実をつけさせる剪定(実付きを改善)
⑧ 葉や茎の成長と形、色を改良する剪定(強剪定で新芽を出させる)
⑨ 装飾的剪定(装飾的に形作るため、トピアリー、ヘッジ)
⑩ 先祖返りした枝やふつうでない枝を取り去る剪定(斑入り葉の中の緑葉、ひこばえ)

3、剪定のポイント

① シュラブ剪定のポイント
A. 葉の付け根の5mm上
B. 芽のすぐ上を切らない
C. 芽の方向を高くして斜めに


通常、葉の付け根、横に茎や芽が出ている部分の5mm上を切ります。芽が確認できていれば、切ることでそこから新しい枝が伸び始めます。休眠状態の芽は避けます。それより高い位置で切らないようにしましょう。なぜなら残った枝が枯れ込み、育てたい芽も一緒に枯らしてしまう可能性があるからです。
芽のすぐ上を切ることは避けます。すぐ上で切ってしまうと枝が成長するのに十分な場所が取れず、その芽から新しい枝を伸ばすのをやめてしまうでしょう。
芽が一つの場合、芽の方向を高くして斜めにカットします。芽が両方についている場合は付け根から5mm上をまっすぐに切ります。 

② 春咲きシュラブの剪定
いくつかの春咲きシュラブは毎年剪定をしないと暴れて汚くなります。放置された植物は枝が古くなり、花付きが悪くなります。花が咲き終わった後に力強い良い芽や若いシュートを残すようにして花がらと一緒に枝を切り戻します。毎年切り戻す事で春の花を多く保つことができます。6月下旬以降に咲くシュラブは晩冬から早春に切り戻します。

③ 強剪定向きシュラブの冬の剪定
いくつかのシュラブは強剪定に向いています。サンゴミズキや柳は毎年または1年おきにほとんど地際まで切り戻します。作業する時期は晩冬から早春の芽が動き出す直前、植物が成長し始める時に行います。これは古い枝を取り除き、カラフルで美しい新しい樹皮のシュートを出させるためです。冬の間に、枝を出すために必要な肥料を与え、新しい成長のための準備をします。

④ バラの剪定
A. 芽またはシュートの上で切る
B. 株立ち(bush)は冬に強剪定(地面から15〜23cm)
C. シュラブ(shrub)は花後に切り戻し(枝先から10〜15cm)


大輪または房咲きの株立ちのバラ(ハイブリダ、フロリバンダ)は毎年晩冬から早春に大きく切り戻します。すべての茎を地面から15〜23cmの位置になるようにカットします。枯れ枝や細い枝、弱い枝を取り除きながら強い枝を残します。ハードな剪定が難しい場合、新しいシュートを意識して育てます。外向きの芽の上を切るようにしましょう。
シュラブローズは春の強剪定は必要ありません。初夏に花の咲き終わった枝を10〜15cm切り戻します。

⑤ クレマチスの剪定
A. 原種系(タングチカ、オリエンタリス等)は剪定不要
B. 大輪系園芸品種(ハイブリダ等)は冬に強剪定
C. 小、中輪系園芸品種(ビチセラ、テキセンシス等)は春に芽を確認して剪定


いくつかのクレマチスは剪定が必要ですが必要のないものもあります。一番良い方法は購入する時に確認することです。タングチカやオリエンタリスやその園芸品種は通常剪定を必要としません。開花期の長いハイブリダは晩夏から初秋まで咲き続けます。それらは強く剪定する必要があります。冬に地面から30cmの位置までの切り戻しを2月下旬までには行いましょう。ビチセラやテキセンシスは春に勢いのある芽を確認して地際まで切り戻すことができます。
もちろん大きくなりすぎたクレマチスは強く切り戻す必要があります。晩冬に手を入れ、春からの成長に備えます。

*上記の剪定方法はイギリスで行われている方法です。日本での剪定と異なる場合がありますので参考程度にして下さい。

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


安城農林高校の庭仕事講座で使用した資料


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