庭仕事講座

「フローラルガーデンの庭仕事」H29年8月18日の内容です。次回は9月15日「種から育てる植物」一年草と二年草。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


Basil 'Purple Ruffles'

「夏に活躍する植物」ハーブと暑さに強い多年草

Why herbs are ideal for the organic gardener ? 
〜 なぜハーブはオーガニックガーデナーにとって理想的なのか? 〜

ハーブを育てることは本当に楽しい。シルバーや斑入りの葉が小さくコンパクトにまとまり、明るい花色を持つたくさんの種類のハーブは香りの庭や子供の庭に向いています。もちろん、ガーデンを彩るだけでなく、料理の香りづけや、美容や健康にまで利用できます。さらに虫除けや液肥としても活躍するハーブ。安全で新鮮なハーブを育てる事はオーガニックガーデナーに欠かせない仕事です。
by Graham Clarke

1、ハーブの特徴

ハーブは何千年も前から利用され続けています。5000年前のバビロニアの粘土板には医療用にハーブが使われている様子が描かれています。エジプト人は紀元前1550年から医療用、香料、美容に利用するハーブを書き留め、儀式などで使用しています。

① 虫への耐性 (Tolerance to pests)
ハーブは通常強い味や香を持っています。味や香は植物の中にあるタンニンや苦味成分、粘液、アルカロイド、サポニン、グリコサイドによるものです。これらの物質は多くの害虫にとって口に合いません。アブラムシやナメクジ、うさぎや鹿までハーブにアタックすることを避けます。これらの成分は害虫をコントロールし、植物を健康に保つことに利用できます。

② 乾きへの耐性 (Tolerance of dry conditions)
ハーブの多くは日差しが強く乾いた大地からやってきました。一般的なハーブはインドや中国、地中海沿岸などが原産です。これは夏に多くの水が必要でないことを意味します。そしてハーブには必ずしも多くの有機質は必要でないとも言えます(有機質は保湿力を高めるため)。他の夏向きの植物に比べてもハーブは乾燥に強く、水やりを怠っていても生育します。

③ 栄養分が乏しい土への耐性 (Tolerance of poor soil)
通常、植物を育てる時は新鮮なコンポストを土にすき込んだりして、根が栄養や水分を補給しやすい土を毎年作り続ける必要があります。しかし、ハーブにはいつも必要なことではありません。多くのハーブの原産地は乾燥してやせた土地です。もし、ラベンダーを有機質たっぷりのよく肥えた土に植えて、栄養をもらい続けたとしたら枯れてしまうでしょう。これは通常多くの植物に行なっているガーデナーの仕事がハーブにとっては自然な方法ではないということを意味します。

2、ハーブの育て方

① どんな日差しの場所? (How sunny is the area?)
もしあなたがタイムやローズマリー、サボリーなど日差しが大好きなハーブを育てるなら、日が当たる場所に植えることが重要です。日の当たり具合を変えることより、その他の条件を変えることの方が簡単だからです。暑い地域から来た植物(ラベンダーやローズマリー、タイム)は比較的小さい葉で、表面の細胞は重なって厚みを持っています。それは壊れやすい葉緑素を強すぎる光や暑さから守るための構造です。多くのハーブには斑入り(タイムやセージ)や紫葉(バジルやセージ)の種類があります。強い日差しの下で必要以上に光合成をしないように変化したもので、斑入り葉は限られたスペースに葉緑素を置き、紫葉は緑色の葉緑素の上を紫色で覆って日差しを遮っています。斑入り葉を日差しが弱い場所に植えると光合成のための光が弱くなり、葉全体を緑にするように変化していくでしょう。

② どんな湿り気の土? (How moist is the soil?)
土壌の湿り気はすべての植物にとってきわめて重要です。ハーブも例外ではありません。特に地中海地方原産の香りの良いハーブは根が濡れたままの状態(wet feet)が嫌いです。ハーブガーデンを作る時は必ず水はけを良くしなければなりません。日の当たる緩い傾斜地が理想的です。

③ 土壌酸性度は? (What is the soil acidity level?)
弱アルカリ性の土は多くのハーブにとってベストの土です。パセリ、ローズマリー、バジル、チャイブ、ホースラディッシュ、セージ、タイムなどいくつかのハーブは弱酸性を好みます。重たい土(水を含みやすい)、水が溜まりやすい傾向のある粘土質、よく肥えた土ではハーブは濃厚なアロマティックオイルを作ることができません。多くの土は土壌改良で改善できますが、どこに植えるかはよく考えたほうが良いでしょう。

④ 利用しやすい場所は? (How accessible is the site?)
通常ハーブガーデンを持つのに便利な場所はキッチンドアの前。そこは新鮮な若葉を収穫しやすい最適な場所です。香りを楽しむために窓辺やテラスのアームチェアのそばに置くのも良いでしょう。暖かい夏の午後は香りが最も強くなります。よく利用する好みのハーブはポットに植えてキッチンの窓辺など身近に置いておくと良いでしょう。

3、暑さに強い多年草

① ハーディネスゾーン (Hardiness zones)
植物を育てる時、初めにあなたの住む地域の地理的な位置とそこに植える植物のためにはどんなケアが必要なのかを理解しなければいけません。ハーディネスゾーン〈注1〉は植物の原産地の温度帯を確認し、どのように育てれば良いかを知る目安として活用できます。


〈注1〉ハーディネスゾーンは気象条件(地帯の最低気温に耐えるその能力を含む)によって植物の特定のカテゴリーが成長することができる地域を地理的に定義したマップです。造園やガーデニングをするためのラフなガイドとして米国農務省(USDA)によって開発され、他の国にも採用されました。
(Wikipedia英語版より)

② 半耐寒性多年草と非耐寒性多年草 (Half-hardy perennials and Tender perennials)
日本の夏には強い日差しと蒸し暑さがあります。原産地が日差しの強い地域(地中海沿岸等)のハーブ類や光を反射する葉を持つシルバーリーフは日差しの強い日本の夏でも育てやすい植物です。育てる時に注意したいのは水はけと冬の温度。日差しの強い地域は乾燥地帯が多く、水が溜まりやすい土壌では植物が傷みやすくなります。また、日差しを好む多年草は、最低気温が−3℃以上の地域で育つ半耐寒性多年草も多いので−4℃より寒くなる地域では霜よけをするかポットに植えて移動するようにしましょう。熱帯地域原産の多年草(ハイビスカス、アンゲロニア等)は日差しにも蒸し暑さにも強い植物なので一年草扱いの夏の花壇材料としてよく使われます。これらは非耐寒性多年草なのでマイナスの気温では戸外で冬越しできません。鉢に入れ室内で凍らないように育てると翌年にも花を楽しめます。

 〈参考文献〉
THE ORGANIC HERB GARDENER / GRAHM CLARKE


安城農林高校の庭仕事講座用にまとめたハーブの資料


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年7月21日の内容です。次回は8月18日「夏に活躍する植物」ハーブと暑さに強い多年草。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


イングリッシュガーデンのエキウムとマルハナバチ

「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方

Why plant get sick ? 〜 なぜ植物は病気になるのか? 〜
植物は生き残る術を知っています。あなたが季節を通じて出会う虫や病気は植物にとって数少ない落とし穴です。それを避けるために必要で、よく知られている、植物を健康に保つ方法は、あなたのガーデンを健康に保つことです。植物は警告を発しています。それを見逃さないようにしましょう。
by Chistine and Michael Lavelle

1、ダメージの原因

不健康な植物には虫や病気が寄ってきます。虫や病気によって弱ったように見える植物はその前に環境によってダメージを受けている可能性があります。虫や病気が寄ってきた原因を探ることは健康な植物を育てるために必要なヒントを得られます。

① 凍る(Frost)
寒い空気がたまるフロストポケットにより、柔らかい芽が傷み、植物にダメージを与えます。また、土が凍ることで給水が出来ずに根が傷みます。特に半耐寒性の木質性多年草は凍ることにより、枯死することがあります。ボーダーラインは−4℃。

② 水たまりと水不足(Waterlogging and Drought)
土の中に貯まっている水を植物はその都度必要な分のみ吸い上げて健康を保ちます。しかし、根が水に浸ったままの状態では健康を保てず枯死してしまうこともあります。雨が少ない夏では植物は水不足によりダメージを受けます。成長が遅くなったり、細胞がつぶれたりして健康に成長できなくなります。

③ 風(Wind)
風によるダメージは樹木やシュラブによくあります。強い風により、幹が割れたり根が上がってむき出しになったりして植物を弱らせます。

④ 光のアンバランス(Light imbalances)
植物の成長には光を受けることが必要です。日向を好む植物は日陰ではしばしば青白くなります。逆に日陰を好む植物は強すぎる光で葉を焼きダメージを受けます。その植物の成長にちょうど良い光の量で育てることが大切です。

⑤ 栄養のアンバランス(Nutrient imbalances)
植物は栄養バランスが崩れるとそれぞれ異なる症状を出します。成長が阻害されたり、葉色が悪くなったり(斑点を含む)、葉が枯れ込んだり、歪んで成長したり、根が育たなかったり。その症状は始め小さな部分から始まります。多くの栄養は過剰に与えすぎると植物にとって有害です。

⑥ 汚染(Pollution)
汚染物質は葉を茶色く変えたり落したりします。土壌汚染は植物の成長を阻害します。通常考えられる土壌汚染は、酸性やアルカリ性に偏った物質、化学物質、塩化物質(融雪剤等)、殺虫剤、除草剤などです。単に土壌の酸性度のみの問題なら土壌改良で対処出来ます。

⑦ 虫と病原菌(Pests and Diseases)
虫や病気は健康な植物にも取り付きます。ストレスの下で成長している植物は本当に健康な植物といえません。虫や病気をコントロールする一番良い方法は、あなたが兆候を見つけたらすぐ迅速な行動をすることです。

2、植物につく虫

虫はあなたが気を付けていないとあっという間に深刻なダメージを植物に与えます。しかし、虫と戦うようなことはオーガニックガーデナーとしてはしたくありません。共存する方法として、その植物を守る植物(コンパニオンプランツ)を一緒に植えることや植物を健康に育てることで丈夫にすることなどがよく知られています。

① その虫は大丈夫な虫?心配な虫?
生産者として栽培する場合と家庭で栽培する場合では虫に対する感じ方も違います。自然の中でコントロールされている虫は問題ないと言えるでしょう。現在虫がついていなくても動物(人間も含め)が食べる植物には虫が発生すると考えてよいでしょう。

② 虫を理解すること
重要なことはあなたが育てるずっと前から植物は虫と共存していたということです。虫をコントロールするたったひとつの道は彼らを理解すること。多くの虫にはその虫が好む植物があります。注意深く観察し、彼らより一歩先を行くことでコントロールが可能になります。

③ コントロールの選択肢
虫が問題を起こす前に対処することが重要です。夏の初めに発生した1匹のアブラムシをそのままにしておくと初秋には2,000,000,000,000,000匹になります。しかし、虫の増殖はコントロール可能です。栽培管理(栽培地ローテーション、衛生環境を整える、生物多様性)や実質的な管理(手取り、トラップ、忌避剤、バリア)、生物学的管理(自然界で虫を食べる他の生き物)などによりコントロールします。

④ 虫を大目に見ることが出来る?
私たちが一番気をつけなければいけないのは過度に心配することです。害虫と呼ばれる虫も自然界の虫の一種です。彼らはオーガニックガーデンの中の多様性を作っているメンバーの一員だということを覚えておいてください

3、植物がかかる病気

病気の早期発見で広がるのを防ぐことができます。日常的にチェックするようにしましょう。どんなサインも見逃さず、虫眼鏡を使ってしっかり観察。最初が肝心です。

① 病気を確認すること
警戒することは植物の病気のコントロールを成功させるカギになります。注意深く、葉や茎、根、花や実を観察しましょう。また、植物を栽培している環境も確認してみましょう。ストレスのある環境で育てることは植物を弱らせる原因になります。植物が病気になった原因を見つけて環境を改善することで病気を治すこともできます。

② コントロールの選択肢
天気や環境により影響を受けやすい場所や植物はどこか把握し、深刻な病気が疑われる場所を日頃から知っておくことが大切です。年間通してあなたのガーデンに発生する心配事を予測して対処できるよう準備しましょう。病気は窮屈に混植しすぎるところで発生しやすいので、植物を植える時は空間を開けてできるだけ風通し良くしましょう。

 〈参考文献〉
the organic gardener / chistine and michael lavelle


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年6月16日の内容です。次回は7月21日「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


記念館北ボーダーガーデンのエキナセア シャイアンスピリット

「オーガニック栽培」有機質と栄養について

Why soil ?  〜 なぜ土かって? 〜
私にとって土は大好きなもの。庭を簡単にふかふかにし、真っ黒で甘い香りの土にする方法を見つけたの。土は不思議。庭づくりをアートにする。持続可能な方法で土を作ることは健康な庭づくりに必要なこと。オーガニック材料は土を豊かにする。資源を保持するスポンジのような秘密の材料。私が見つけた方法で土づくりを再発見して!
by Elizabeth Murphy

1、オーガニック栽培

ガーデニングの中ではオーガニックというと2つの意味があります。ひとつはオーガニック農法が保障されているということ。それは農場やガーデンがオーガニック証明団体に認可された肥料、土壌改良材、自然に由来する殺虫剤のみを使っているということです。
もうひとつはオーガニック材料を使って素晴らしい土づくりをして植物を育てていること。オーガニック材料は土を豊かな土壌に変え、ガーデナーが切望する黄金の真っ黒な土にしてくれます。私たちはこの宝物をオーガニック材料を加えることで手に入れることができます。

【オーガニックの2つの意味】

① 保障されたオーガニック農法のこと・・・化学合成の肥料や殺虫剤、除草剤を使用しない栽培
② オーガニック材料を使って庭づくりをすること・・・有機質をたっぷり含む土で育てる栽培
            
                   *オーガニック=生物由来のもの、有機質、有機体

2、オーガニック材料の役割

オーガニック栽培は土中の微生物や自然の力を借りながら植物自身が体力をつけ成長する、昔から行われている栽培方法です。人工的な栽培方法は常に人間が管理し続ける必要がありますが、
オーガニック栽培は植物自身が必要な時に必要なだけの水分や栄養分を土壌から補います。植物が自立して健康に育つことが出来るよう環境を整えることが、オーガニック栽培の中で最も重要な仕事になります。
有機質は土の中で重要な役割を果たします。砂地では粒を結びつけて穴を埋め、またスポンジのように水分を蓄えることで水を保つのを助けます。粘土では小さな粒を結びつけて大きな粒にし、水はけの経路を作ります。有機質はミミズを増やし、ミミズは水はけのトンネルを作ってくれます。有機質のかたまりは土の構造を改良したり、バクテリアが働いて栄養素を土中に放出したりするのに役に立ちます。しかし、有機質は土中に栄養素を含ませるには良い材料ですが、それ自体が栄養豊富な肥料という訳ではありません。栄養素が足りない植物には肥料を使うことが必要です。

【オーガニック栽培の特徴】

① 土地をやわらかくする/有機質を含む土は植物の根が育つスペースを作り、再び掘り返す手間を減らします。
② 湿り気と水分を保つ/スポンジのように水分を含むことができます。
③ 空気の保持と排水路を作る/水やりをすることで新しい空気が入り、土が呼吸します。
④ 微生物が活発に活動する/微生物に住み良い環境と食べ物を与え健康で幸せな集団を作ります。
⑤ 栄養素保持と再生/植物の食べ物を蓄えた家になります。

3、植物の栄養素

植物は光合成を通じて空気と水から取り入れた、酸素、炭素、水素で構成されています。植物が健康に成長するためには他に約30種類の必須栄養素を土から取り入れることが必要です。
化学合成された液肥などは早く栄養補給するのには便利ですが、水に溶けやすいため流れ去るのも早く効果は限定的です。土の中の有機質由来の栄養はゆっくり永く効きます。
雨の多い地域では空気中に含まれる窒素が雨と一緒に土の中に補給されやすくなります。マメ科の植物の根は窒素をためやすい性質があり、土にすき込む緑肥として利用されます。

【主な栄養素】
① 窒素 nitrogen 1.5%〔葉を育てるのを助ける〕
〈不足すると〉
・成長が遅くなる
・上部の葉がうすい緑色に下部の葉が黄色になる
〈自然の存在場所〉
・雨の中
・マメ科の植物の根粒
・堆肥
・微生物のいる有機質土壌

② リン phosphorus 0.2%〔根の成長を促進する〕
〈不足すると〉
・葉の先端が紫になる
・赤と紫などの暗い葉は秋に早く葉を落とす
〈自然の存在場所〉
・鉱物や土の中
・動物の糞や骨

③ カリウム potassium 1.0%〔実や花の生産を助ける〕
〈不足すると〉
・地面に近い古い葉の先端や端が黄色くなり、茶色くなったり枯死したりする
〈自然の存在場所〉
・鉱物や土の中
・果実
・落ち葉

【微量要素】
① マグネシウム 0.2%
〈自然の存在場所〉
・白雲石

② 硫黄 0.2%
〈自然の存在場所〉
・火口付近の鉱物

③ カルシウム 0.5%
〈自然の存在場所〉
石灰岩、卵殻、貝殻、硬水、骨粉、硬化した海藻、過リン酸塩

【その他微量要素】
鉄0.01%、塩素0.01%、
ホウ素0.002%、マンガン0.005%、
銅0.0006%、モリブデン0.00001%
〈自然の存在場所〉
・大きな有機質のかたまり、海藻生産物等

*%の数値は植物を乾燥した時に植物に含まれている栄養素の割合
*イギリスではリンは根の根の成長、カリウムは花や実の生産を助ける栄養素としています

 〈参考文献〉
BUILDING SOIL / ELIZABETH MURPHY
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年4月21日の内容です。次回は6月16日「オーガニック栽培」有機質と栄養について。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


シビックガーデンのブラックベリー

「土とコンポスト」根が育つ環境づくり

What is soil ? 〜 土って? 〜
植物の視点で見ると土は彼らの家です。そこには彼らの根が必要とする様々なものが用意されています。栄養、水、そして空気等です。土は彼ら自身がまっすぐ立つために根を固定する場所でもあります。また、根が乾いたり、直射日光が当たったりするのをふせぎ、根を守ります。
by Alan Titchmarsh

1、 土を構成するもの

①ミネラル・・・鉱物由来のもの(砂、石、砂利等)
②オーガニック・・・生物由来のもの(葉や枝の堆積物、虫や動物のフン、虫や動物の死骸等)

【ミミズの視点】

ミミズの視点で見ると地面の中は異なる層の重なりでできていることが見えてきます。表面には植物が暮らし、その層には植物の堆積物など生物由来の有機物があります。これは腐葉土として知られていて、土を改良するのに不可欠な材料です。地球上で最も豊かな層で、まさにトップソイルです。この層はほとんどの植物の根を育てます。
その下の層は多分、粘土層か砂利層か砂地です。それは通常栄養不足で、リッチなトップソイルのように根を育てるのに適していません。下の層の下は割れた岩や、岩の塊が現れます。これらの層が現れる深さは庭によって異なりますが、トップソイルに近い深さであればあるほど植物が育ちやすい層になります。

2、土の役割

① 根が必要とする水、空気、栄養素を蓄える場所
② 根の成長を左右する生活環境

【土の中の栄養】

土を使わなくても植物を育てる方法はあります。化学製品を利用する生産者や水耕栽培やハイドロカルチャーなどです。しかし、土を使わずに育てることは、その植物が必要とする栄養素を知り、供給し続ける必要があります。
土を使って育てることはもっと簡単です。なぜなら、植物自身が土の中から必要な栄養素を探して取り入れ、必要のないものは取り入れないからです。
健康な土には植物自身が必要としている食べ物がたっぷり含まれています。土の中では自然界に存在する微生物が働き続け、大気に含まれる窒素以外の栄養素を作り出したり、植物の細胞を作ることを助ける特別な菌が根の周りに共存したりしています。

【土の中の空気と水】

植物の根には呼吸をするための酸素が必要です。彼らは土の粒子の間の小さな空間からそれを得ています。土は自然に小さな穴を持ち、それを可能にしています。
砂地は大きな粒子で構成されていて、それに伴ってその間には大きな空間が生まれます。砂地が早く乾くのは水が走り抜ける空間がたくさんあるからです。粘土質やシルト質(沈泥)の土はとても粒子が細かく、空気の入る隙間が小さいことに加え、水が走り抜けることが非常に困難で水が溜まりやすくなっています。そこで有機質材料が重要になります。有機質はスポンジのようで、どちらのタイプの土も改善することができます。砂地の隙間を埋め、水分を保つのを助けます。粘土質の土では細かい粒子をつなぎ、ひとつの塊にしながら、水はけの隙間を作ります。

3、土壌改良

あなたが運良く自然な良い土地を手に入れない限り、その土地を改善する必要があるでしょう。
土壌改良には2つの方法があります。ひとつは穴を掘り、バークなどの有機質、堆肥やガーデンコポストを中に混ぜ込むこと。もうひとつは肥料を入れること。人々はしばしばこのふたつを混同し、そのどちらかのみで改良できると思ってしまいがちです。しかし、土壌改良にはどちらも必要で、それらは土の中で異なった働きをします。

4、コンポスト(堆肥)とは

① ガーデンコンポスト・・・雑草や落ち葉、抜いた花壇苗などで作る堆肥
② 生ゴミコンポスト・・・生ゴミを含む家庭から出る有機質からつくる堆肥


新しく花壇を作る場所にはたくさんの有機質を入れ、固い花壇にはマルチングを冬に施します。材料は完熟腐葉土やホームメイドコンポストを使います。 ほとんどの人にとって一番安くて便利な有機材料はガーデンコンポストを作ることです。あなた自身が作ればコストはかかりません。ガーデンコンポストは他の有機質材料、バークや腐葉土より栄養素が多く含まれ、良質な土壌改良材になります。

5、コンポストを作るには

① ガーデンコンポスト作り
網や木材で枠を作り、材料を中に詰め込みます。樹木の下など、雨が当たり、適度な湿り気を保てる場所が最適です。バクテリアが活発に働く春から秋に分解が進み、半年後には利用可能。冬は分解が遅くなります。

② 生ゴミコンポスト作り
フタのある入れ物か、コンポスターなどを利用。密閉すればハエなどの飛び回る虫がわきません。 コンポスターのように地面に直接かぶせるタイプだと、地面からミミズやバクテリアが入って分解を早く進めてくれます。生ゴミは少量の土または有機質があれば分解できますが、入れ過ぎると土の水分が多くなり、酸欠になりやすいので、入れ過ぎた場合はウッドチップや落ち葉など、生ゴミ以外の有機質を足して水分調節します。

【コンポスト作りに必要なもの・こと】
① ちょうど良いサイズの入れ物
② 水分(バクテリアが活動しやすい)
③ 切り返し(空気を入れる)
④ 材料の表面積を小さくすること(カットする)
⑤ グリーンの材料(雑草やコーヒーカスなど水分量の多いもの)
⑥ ブラウンの材料(紙、木屑、落ち葉など水分量が少ないもの)

【コンポスト作りに入れない方が良いもの】
① プラスチック、メタル、オイル、ガラス等の 人工物(微生物が分解できずに土中に残る)
② 石炭やバーベキューの灰など(大気汚染物質を含み、ミミズや微生物が住みにくい)
③ 調理済みの食べ物(においで虫や動物を寄せてしまうため)
④ 犬猫のフン(大腸菌などの菌が分解されずに土に残り、野菜を汚染する可能性があるため)

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh
Guide to Composting, Wildlife Gardening & Sustainable Living / Irish Peatland Conservation Council


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年4月21日の内容です。次回は5月19日「土とコンポスト」根が育つ環境づくり。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


春のフローラルガーデン

「植物のしくみ」基本的な植物の性質

What plants need ? 〜 植物が必要としているのは? 〜
植物を幸せに育てるために必要なことは、生育環境を良い状態に創造する秘密を自然の法則から見い出すことです。
by Alan Titchmarsh

1、 植物がしていること

植物は動き回れません。しかし、驚くほど洗練された機能を持っています。それはまるで生きた工場です。空気や太陽光、水、土と一緒に、デンプンや脂質、たんぱく質、色彩を生み出す物質、ホルモン、酵素など、とても複雑な製品を生産しています。

2、植物に必要なもの

① 水 (Water)
植物は80%以上水で作られています。しかし体内の水は保存されず、通過しています。水はヒゲ根から吸い込まれ、葉から蒸発します。植物はちょうど大きな芯のようです。暑い夏の日はオークのような巨大な木は300Lの水が地面から吸い上げられ70万の葉から蒸発しています。
水は植物の体内にあるものすべてを運んでいます。水は光合成の材料となり二酸化炭素を分解し、酸素を生成します。そして鉱物の栄養は土の中から水に溶かして取り入れられます。多くのガーデナーが知っているように植物が早く成長するために多くの水が必要です。暑くて空気が乾燥すると植物から気孔を通して、より多くの水分が早く失われます。要求するペースで水分を保てない時は気孔が閉じます。これは空気が抜けた風船のようにしぼんだ時に起こす細胞を守る特別な機能です。鉢植えでいつも乾いた状態だったり温室などで暑すぎる環境に置かれると植物は通常の状態に戻るまで成長を止めます。そのまま悪い環境に置かれたままだと植物は水分を失い、萎れ始めます。萎れると細胞の形が変形し気孔が丸くなくなり水分の蒸発を抑えることができます。
肥料も水も足りているのに元気がなく、萎れている植物が何を要求しているかわからない時は30℃を超えているかどうかが一つの目安になります。植物は気温が30℃を超えると成長を止め涼しくなるまで待っています。
新しい根は水を求めて成長します。幼苗は根が少ないため水分を失いやすく、風が強い日は特に早く乾くので注意が必要です。

②栄養(Nutrients)
植物の体は、光合成により空気と水から変化させた酸素や二酸化炭素、水素、さらに約30種類の物質が土の中から取り入れられて作られたものです。
3つのメインの栄養物質は窒素、リン酸、カリウムです。これらはすべて土の中から供給します。通常植物が彼ら自身で庭の土の中から必要な栄養物質を探し出すので難しく考える必要はありません。

③空気(Air)
空気は植物に酸素と二酸化炭素を供給します。太陽の光が当たると二酸化炭素は水と反応し光合成の材料として利用されます。光合成により糖とデンプンが作り出され、その過程で酸素も生産します。糖は植物の成長や土から栄養素を吸い上げるエネルギーとして利用し、デンプンは植物を構成する要素になります。
空気は3大栄養素の一つ窒素も供給します。空気中の窒素は雨により土の中に入り、マメ科の植物の根やバクテリアがすむ有機質がたっぷり含まれた健康的な土に留まり、植物の栄養素として利用されます。

④光(Light)
植物が持つ完璧な内部工場、光合成システムは光が当たると動き始めます。植物は光が当たると空気中の二酸化炭素と土の中から吸い上げた水を反応させ、酸素と糖、デンプンなどの物質を作り出し、植物を成長させていきます。
光合成システムは光が十分でないと十分に働きません。しかし、幾つかの植物、シダやホスタ、トロピカル植物(観葉植物)など、自然界において樹木の下で生育するものは弱い光の中でも効率よく働くように進化しています。室内など光が弱く空気が乾燥する場所でも生育可能なのは自然界でそのような環境に生育していたからです。光が当たらない場所は土が乾きにくく、葉からの蒸散も少ないので長い時間水分が保たれます。日陰を好む植物を日当たりの良い場所に植えると光の量を受け止めきれず太陽の光により葉焼けします。日当たりを好む植物は葉に直接光が当たることが必要で、光がより多く当たるように枝葉を伸ばしていきます。光が十分当たらない場合、花が咲かなくなることもあります。
自然界において強い光を常に浴びている地域に生息する植物は、自己防衛する形に進化しています。葉や茎をシルバーにして光を反射したり、ワックスで覆って乾燥を防ぐなどして熱くなりすぎないようにしています。
植物は野生ではどこで成育するかを選択しています。植物がどのようなコンディションで成育するかを知ることは植物をより良く育てることにつながります。

⑤暖かさ(Warmth)
植物は地球上のほとんどで生育しています。海の中や砂漠、凍った大地にも存在します。しかし、同じ植物がどこでも生育できるわけではありません。異なる植物が異なる温度下で適応するように進化しています。
植物を育てるときに起こるトラブルは多くの場合、温度の適応がうまくいかないケースです。庭には世界中から植物が集められています。
寒い地域や標高が高い地域では成長する期間が短く、花をつけ種ができるまで短期間で行います。彼らは細胞が凍らないように内部に保持できる仕組みを持っていて氷点下でも生きられるようになっています。
暑い地域では暑さ寒さを繰り返す独特のサイクルを持っていて、しばしば真反対の環境、雨季と乾季にさらされます。植物はそれに対応するように進化しています。チューリップが良い例で、トルコやイラン原産で、適度に湿り気のある冬に成長し、暖かい春になると暑さから逃れるため球根に栄養をため込み、乾燥する暑い夏を乗り切ります。

⑥土(Soil)
土はさまざまな物質が混ざって作られています。岩の多くは何万年もの時を超え、時々起こる氷河期によりゆっくりと岩が砕かれ砂利になり、鉱物のチリになっていきます。石灰土壌は海底に堆積した貝殻や何兆もの海底の小さな生物が生死を繰り返してできた土壌で地殻変動により隆起し地上に現れ他ものです。今も岩は砕けて砂利や砂になり、土の中に存在しています。
土の中に存在する化学物質はもともと岩に含まれています。オーストラリアではリン酸分を含む岩が少ないため土壌にリン酸が足りないことが多くあります。火山活動による火山灰が多く含まれる土壌は植物に必要な栄養がたっぷり含まれた肥よくな土壌です。インドネシアでは肥料を使って植物を育てることはありません。栄養豊富な火山灰土は作物を育てるのに十分な栄養を含んでいるからです。
土は動物の糞や死骸、枯れた植物などからなる有機質も含んでいます。有機質は深い森に多く含まれていて、枝や葉の堆積物からなる土は植物に栄養を補給するのに適した土壌です。

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


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