庭仕事講座

「フローラルガーデンの庭仕事」H29年9月15日の内容です。次回は10月20日「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


Nigella seeds

「種から育てる植物」一年草と二年草

What are seeds ? 〜 種って? 〜
種には新しい植物の「はじまりのもと(biginnings)」が入っています。それは生きている生物体で、コーティングに守られている小さな植物。静かに休んでいて、休眠状態でゆっくりと代謝を続けます。成長が始まる要因に出会い、細胞が刺激されるまで。
by Chris & Valerie Wheeler

1、種の機能

① 繁殖 (REPRODUCTION)
種は植物を繁殖させる最も一般的な方法です。植物は彼ら自身を何度も何度も複製することで生き残り、新しい世代に性質が受け継がれます。種での繁殖を成功させたことは、野生でいくつかの植物が生き残ってきた秘訣であり、リスクを伴うものでもありました。
植物の次の世代は両親から離れ彼ら自身で自立する必要があります。莫大な数の種は、少しでも生き残り、次の世代を生育させるために必要な手段なのかもしれません。幾つかの種は何年かとどまっていることが可能です。彼らは干ばつや極端な温度が過ぎるまで待ち、良い環境が訪れた時革命を起こします。

② 変化 (VARIATION)
種からの繁殖は植物間で多様な個体群を作ります。花粉と胚珠により運ばれた遺伝子を組み合わせることにより異なる性質が混ざり、新しい独特の植物を生み出します。特定の組み合わせの遺伝子は植物や植物のグループにいつくかのおもしろい特徴を作ります。遺伝子的な性質と外見上同じように見えるものなどです。種は両親の遺伝子の組み合わせにより新しい性質が生み出され、この植物は両親の性質を反映します。種は親の系統や特質を持ちますが、完全なレプリカではありません。この有性生殖の結果、植物の間で変化が起こります。そして時間をかけて環境に適応していきます。

③ エネルギー貯蔵庫 (ENERGY STORE)
種は胚から成長するためにエネルギーを貯蔵する必要があります。水や栄養が植物内を移動し光合成することにより作られた炭水化物や脂質、たんぱく質は、葉から種へ移動し蓄積されます。

2、発芽

① 発芽の過程 (GERMINATION PROCESS)
種が水を得て、湿気を含み、膨張する → 新陳代謝が増え、特に呼吸が増えることで酸素を要求するようになる(水たまりに要注意) → 胚が成長し、コーティングを壊し、成長点が動き出す → 新しい細胞が作られ胚から成長した子葉が生まれる → 幼芽や根が伸び成長する

② 幼芽の種類 (TYPES OF GERMINATION)
発芽が始まった時、子葉は土の上に出てきます。緑色に変わり、最初の葉が現れます。茎が伸び、成長点の中からその植物の本当の葉、本葉が生まれます。初めの葉が本葉と異なるのは、幼根が発達しヒゲ根が伸びるまでの間、子葉にある栄養で成長させるためです。

③ 発芽が遅れる原因 ( OVERCOMING DELAYED GERMINATION)
・より生き残る可能性の高い環境になるまで発芽を待っている
・種の表面が固すぎて発芽できない → 傷をつけるか、水につけることを望んでいる
・胚が未熟だった → 十分熟すまで待って蒔く
・種の表面に成長阻害物質が付着している → よく洗い流す必要がある
・収穫時の種が未熟だったため発芽しない → 十分熟しているのを確認して収穫し直す

④ 発芽に影響を与える要因 (FACTORS AFFECTING GERMINATION)
【水】
発芽が遅れる原因で最も多いのが、発芽に必要な水分の不足です。もし種が乾いてしまったら発芽しなかったり、数量が減ったりするでしょう。また、水が溜まった状態は種に運ばれる酸素がなくなり、枯れる原因になります。

【温度】
多くの種は発芽適温を持っています。幾つかの種は適温より低い温度でも発芽することがありますが、成功率は低いでしょう。低温で発芽する多くの野菜は高い温度を敏感に感じ取ります。レタスやセロリなどは25℃を超えると発芽に失敗します。自然界では暑く乾きやすい夏は発芽が抑制されるからです。

【光】
光は一部の種の発芽に刺激を与えたり抑制したりする働きがあります。光を必要としている種(好光性種子)はレタス、セロリ、ほとんどのグラス類、多くの草本性植物、多くのコニファー類を含みます。

3、あなた自身の種を保存(SAVING YOUR OWN SEED)

庭から種を集めることは多くの植物の群落を作る素早い方法です。しかし、自家採種した種から同じものが生まれるとは限りません。種は他の幾つかの遺伝子が交配して生まれています。例えば、ジギタリスは300m先から他の遺伝子が届きます。品種名を持つ植物の種の自家採種は、異なる種類が生まれる可能性があります。F1ハイブリッドは種をつけることができない植物です。

4、種まき後のケア

種を蒔いた後、しっかりとした水管理が必要です。水やりはとても慎重に、細かい水の出るハスクチを使用することが大切です。優しく湿らせるようにし、種が浮いて流されないようにしましょう。水の量は控えめに土が湿る程度にします。水がたまってしまう状態は避けなければいけません。
発芽が始まったら土が乾く時間も作る必要があります。可能であれば早朝に水やりをし、日中は乾かすようにしましょう。乾湿を繰り返すことで根の成長を促進します。
種まき後に使用する水は水道水などクリーンなものにしましょう。雨水などはバクテリアや病原菌が含まれていることがあり、抵抗力のない幼苗にダメージを与える可能性があります。

5、種から育てる一年草と二年草

① 一年草と二年草の違い
一年草は一年間の間にライフサイクルが完結する植物です。発芽、成長、開花、種生産のすべてを一年の間に行い、そして枯れていきます。凍る気温に耐性のある「耐寒性(hardyハーディ) → 秋まき春咲き」と凍ることに若干耐性のある「半耐寒性(half-hardyハーフハーディ) → 春まき夏咲き」の大きく分けて二種類あります。
二年草はライフサイクルが完結するのに二年必要です。初めの年は発芽と葉の成長に専念し、二度目の冬を越えた後花が咲き、種を生産し、そして枯れていきます。二年草は十分外で冬越しします。
幾つかの多年草は一年草のように毎年種をまいて育てた方が良いものもあります。耐寒性がないものや、自然界で短命な多年草は一年草のように育てた方が良いでしょう。

② 庭での役割
一年草は庭の中で素早く、可愛らしく、安価に、多量に色を作り出すのに向いています。多くの花は何週間も咲き続けます。その間、カラフルなボーダーガーデンやコンテナガーデンを演出し続けます。
一年草は新しいカラースキーム(色の組み合わせ)に挑戦するのにも使い勝手の良い植物です。スポット的に新しい庭に入れたり、シュラブや多年草と組み合わせて一年を通して変化のある庭づくりをしたりするのに役に立ちます。

 〈参考文献〉
SUCCESS WITH SEEDS / Chris & Valerie Wheeler


安城農林高校の庭仕事講座で使用した資料


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年8月18日の内容です。次回は9月15日「種から育てる植物」一年草と二年草。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


Basil 'Purple Ruffles'

「夏に活躍する植物」ハーブと暑さに強い多年草

Why herbs are ideal for the organic gardener ? 
〜 なぜハーブはオーガニックガーデナーにとって理想的なのか? 〜

ハーブを育てることは本当に楽しい。シルバーや斑入りの葉が小さくコンパクトにまとまり、明るい花色を持つたくさんの種類のハーブは香りの庭や子供の庭に向いています。もちろん、ガーデンを彩るだけでなく、料理の香りづけや、美容や健康にまで利用できます。さらに虫除けや液肥としても活躍するハーブ。安全で新鮮なハーブを育てる事はオーガニックガーデナーに欠かせない仕事です。
by Graham Clarke

1、ハーブの特徴

ハーブは何千年も前から利用され続けています。5000年前のバビロニアの粘土板には医療用にハーブが使われている様子が描かれています。エジプト人は紀元前1550年から医療用、香料、美容に利用するハーブを書き留め、儀式などで使用しています。

① 虫への耐性 (Tolerance to pests)
ハーブは通常強い味や香を持っています。味や香は植物の中にあるタンニンや苦味成分、粘液、アルカロイド、サポニン、グリコサイドによるものです。これらの物質は多くの害虫にとって口に合いません。アブラムシやナメクジ、うさぎや鹿までハーブにアタックすることを避けます。これらの成分は害虫をコントロールし、植物を健康に保つことに利用できます。

② 乾きへの耐性 (Tolerance of dry conditions)
ハーブの多くは日差しが強く乾いた大地からやってきました。一般的なハーブはインドや中国、地中海沿岸などが原産です。これは夏に多くの水が必要でないことを意味します。そしてハーブには必ずしも多くの有機質は必要でないとも言えます(有機質は保湿力を高めるため)。他の夏向きの植物に比べてもハーブは乾燥に強く、水やりを怠っていても生育します。

③ 栄養分が乏しい土への耐性 (Tolerance of poor soil)
通常、植物を育てる時は新鮮なコンポストを土にすき込んだりして、根が栄養や水分を補給しやすい土を毎年作り続ける必要があります。しかし、ハーブにはいつも必要なことではありません。多くのハーブの原産地は乾燥してやせた土地です。もし、ラベンダーを有機質たっぷりのよく肥えた土に植えて、栄養をもらい続けたとしたら枯れてしまうでしょう。これは通常多くの植物に行なっているガーデナーの仕事がハーブにとっては自然な方法ではないということを意味します。

2、ハーブの育て方

① どんな日差しの場所? (How sunny is the area?)
もしあなたがタイムやローズマリー、サボリーなど日差しが大好きなハーブを育てるなら、日が当たる場所に植えることが重要です。日の当たり具合を変えることより、その他の条件を変えることの方が簡単だからです。暑い地域から来た植物(ラベンダーやローズマリー、タイム)は比較的小さい葉で、表面の細胞は重なって厚みを持っています。それは壊れやすい葉緑素を強すぎる光や暑さから守るための構造です。多くのハーブには斑入り(タイムやセージ)や紫葉(バジルやセージ)の種類があります。強い日差しの下で必要以上に光合成をしないように変化したもので、斑入り葉は限られたスペースに葉緑素を置き、紫葉は緑色の葉緑素の上を紫色で覆って日差しを遮っています。斑入り葉を日差しが弱い場所に植えると光合成のための光が弱くなり、葉全体を緑にするように変化していくでしょう。

② どんな湿り気の土? (How moist is the soil?)
土壌の湿り気はすべての植物にとってきわめて重要です。ハーブも例外ではありません。特に地中海地方原産の香りの良いハーブは根が濡れたままの状態(wet feet)が嫌いです。ハーブガーデンを作る時は必ず水はけを良くしなければなりません。日の当たる緩い傾斜地が理想的です。

③ 土壌酸性度は? (What is the soil acidity level?)
弱アルカリ性の土は多くのハーブにとってベストの土です。パセリ、ローズマリー、バジル、チャイブ、ホースラディッシュ、セージ、タイムなどいくつかのハーブは弱酸性を好みます。重たい土(水を含みやすい)、水が溜まりやすい傾向のある粘土質、よく肥えた土ではハーブは濃厚なアロマティックオイルを作ることができません。多くの土は土壌改良で改善できますが、どこに植えるかはよく考えたほうが良いでしょう。

④ 利用しやすい場所は? (How accessible is the site?)
通常ハーブガーデンを持つのに便利な場所はキッチンドアの前。そこは新鮮な若葉を収穫しやすい最適な場所です。香りを楽しむために窓辺やテラスのアームチェアのそばに置くのも良いでしょう。暖かい夏の午後は香りが最も強くなります。よく利用する好みのハーブはポットに植えてキッチンの窓辺など身近に置いておくと良いでしょう。

3、暑さに強い多年草

① ハーディネスゾーン (Hardiness zones)
植物を育てる時、初めにあなたの住む地域の地理的な位置とそこに植える植物のためにはどんなケアが必要なのかを理解しなければいけません。ハーディネスゾーン〈注1〉は植物の原産地の温度帯を確認し、どのように育てれば良いかを知る目安として活用できます。


〈注1〉ハーディネスゾーンは気象条件(地帯の最低気温に耐えるその能力を含む)によって植物の特定のカテゴリーが成長することができる地域を地理的に定義したマップです。造園やガーデニングをするためのラフなガイドとして米国農務省(USDA)によって開発され、他の国にも採用されました。
(Wikipedia英語版より)

② 半耐寒性多年草と非耐寒性多年草 (Half-hardy perennials and Tender perennials)
日本の夏には強い日差しと蒸し暑さがあります。原産地が日差しの強い地域(地中海沿岸等)のハーブ類や光を反射する葉を持つシルバーリーフは日差しの強い日本の夏でも育てやすい植物です。育てる時に注意したいのは水はけと冬の温度。日差しの強い地域は乾燥地帯が多く、水が溜まりやすい土壌では植物が傷みやすくなります。また、日差しを好む多年草は、最低気温が−3℃以上の地域で育つ半耐寒性多年草も多いので−4℃より寒くなる地域では霜よけをするかポットに植えて移動するようにしましょう。熱帯地域原産の多年草(ハイビスカス、アンゲロニア等)は日差しにも蒸し暑さにも強い植物なので一年草扱いの夏の花壇材料としてよく使われます。これらは非耐寒性多年草なのでマイナスの気温では戸外で冬越しできません。鉢に入れ室内で凍らないように育てると翌年にも花を楽しめます。

 〈参考文献〉
THE ORGANIC HERB GARDENER / GRAHM CLARKE


安城農林高校の庭仕事講座用にまとめたハーブの資料


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年7月21日の内容です。次回は8月18日「夏に活躍する植物」ハーブと暑さに強い多年草。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


イングリッシュガーデンのエキウムとマルハナバチ

「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方

Why plant get sick ? 〜 なぜ植物は病気になるのか? 〜
植物は生き残る術を知っています。あなたが季節を通じて出会う虫や病気は植物にとって数少ない落とし穴です。それを避けるために必要で、よく知られている、植物を健康に保つ方法は、あなたのガーデンを健康に保つことです。植物は警告を発しています。それを見逃さないようにしましょう。
by Chistine and Michael Lavelle

1、ダメージの原因

不健康な植物には虫や病気が寄ってきます。虫や病気によって弱ったように見える植物はその前に環境によってダメージを受けている可能性があります。虫や病気が寄ってきた原因を探ることは健康な植物を育てるために必要なヒントを得られます。

① 凍る(Frost)
寒い空気がたまるフロストポケットにより、柔らかい芽が傷み、植物にダメージを与えます。また、土が凍ることで給水が出来ずに根が傷みます。特に半耐寒性の木質性多年草は凍ることにより、枯死することがあります。ボーダーラインは−4℃。

② 水たまりと水不足(Waterlogging and Drought)
土の中に貯まっている水を植物はその都度必要な分のみ吸い上げて健康を保ちます。しかし、根が水に浸ったままの状態では健康を保てず枯死してしまうこともあります。雨が少ない夏では植物は水不足によりダメージを受けます。成長が遅くなったり、細胞がつぶれたりして健康に成長できなくなります。

③ 風(Wind)
風によるダメージは樹木やシュラブによくあります。強い風により、幹が割れたり根が上がってむき出しになったりして植物を弱らせます。

④ 光のアンバランス(Light imbalances)
植物の成長には光を受けることが必要です。日向を好む植物は日陰ではしばしば青白くなります。逆に日陰を好む植物は強すぎる光で葉を焼きダメージを受けます。その植物の成長にちょうど良い光の量で育てることが大切です。

⑤ 栄養のアンバランス(Nutrient imbalances)
植物は栄養バランスが崩れるとそれぞれ異なる症状を出します。成長が阻害されたり、葉色が悪くなったり(斑点を含む)、葉が枯れ込んだり、歪んで成長したり、根が育たなかったり。その症状は始め小さな部分から始まります。多くの栄養は過剰に与えすぎると植物にとって有害です。

⑥ 汚染(Pollution)
汚染物質は葉を茶色く変えたり落したりします。土壌汚染は植物の成長を阻害します。通常考えられる土壌汚染は、酸性やアルカリ性に偏った物質、化学物質、塩化物質(融雪剤等)、殺虫剤、除草剤などです。単に土壌の酸性度のみの問題なら土壌改良で対処出来ます。

⑦ 虫と病原菌(Pests and Diseases)
虫や病気は健康な植物にも取り付きます。ストレスの下で成長している植物は本当に健康な植物といえません。虫や病気をコントロールする一番良い方法は、あなたが兆候を見つけたらすぐ迅速な行動をすることです。

2、植物につく虫

虫はあなたが気を付けていないとあっという間に深刻なダメージを植物に与えます。しかし、虫と戦うようなことはオーガニックガーデナーとしてはしたくありません。共存する方法として、その植物を守る植物(コンパニオンプランツ)を一緒に植えることや植物を健康に育てることで丈夫にすることなどがよく知られています。

① その虫は大丈夫な虫?心配な虫?
生産者として栽培する場合と家庭で栽培する場合では虫に対する感じ方も違います。自然の中でコントロールされている虫は問題ないと言えるでしょう。現在虫がついていなくても動物(人間も含め)が食べる植物には虫が発生すると考えてよいでしょう。

② 虫を理解すること
重要なことはあなたが育てるずっと前から植物は虫と共存していたということです。虫をコントロールするたったひとつの道は彼らを理解すること。多くの虫にはその虫が好む植物があります。注意深く観察し、彼らより一歩先を行くことでコントロールが可能になります。

③ コントロールの選択肢
虫が問題を起こす前に対処することが重要です。夏の初めに発生した1匹のアブラムシをそのままにしておくと初秋には2,000,000,000,000,000匹になります。しかし、虫の増殖はコントロール可能です。栽培管理(栽培地ローテーション、衛生環境を整える、生物多様性)や実質的な管理(手取り、トラップ、忌避剤、バリア)、生物学的管理(自然界で虫を食べる他の生き物)などによりコントロールします。

④ 虫を大目に見ることが出来る?
私たちが一番気をつけなければいけないのは過度に心配することです。害虫と呼ばれる虫も自然界の虫の一種です。彼らはオーガニックガーデンの中の多様性を作っているメンバーの一員だということを覚えておいてください

3、植物がかかる病気

病気の早期発見で広がるのを防ぐことができます。日常的にチェックするようにしましょう。どんなサインも見逃さず、虫眼鏡を使ってしっかり観察。最初が肝心です。

① 病気を確認すること
警戒することは植物の病気のコントロールを成功させるカギになります。注意深く、葉や茎、根、花や実を観察しましょう。また、植物を栽培している環境も確認してみましょう。ストレスのある環境で育てることは植物を弱らせる原因になります。植物が病気になった原因を見つけて環境を改善することで病気を治すこともできます。

② コントロールの選択肢
天気や環境により影響を受けやすい場所や植物はどこか把握し、深刻な病気が疑われる場所を日頃から知っておくことが大切です。年間通してあなたのガーデンに発生する心配事を予測して対処できるよう準備しましょう。病気は窮屈に混植しすぎるところで発生しやすいので、植物を植える時は空間を開けてできるだけ風通し良くしましょう。

 〈参考文献〉
the organic gardener / chistine and michael lavelle


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年6月16日の内容です。次回は7月21日「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


記念館北ボーダーガーデンのエキナセア シャイアンスピリット

「オーガニック栽培」有機質と栄養について

Why soil ?  〜 なぜ土かって? 〜
私にとって土は大好きなもの。庭を簡単にふかふかにし、真っ黒で甘い香りの土にする方法を見つけたの。土は不思議。庭づくりをアートにする。持続可能な方法で土を作ることは健康な庭づくりに必要なこと。オーガニック材料は土を豊かにする。資源を保持するスポンジのような秘密の材料。私が見つけた方法で土づくりを再発見して!
by Elizabeth Murphy

1、オーガニック栽培

ガーデニングの中ではオーガニックというと2つの意味があります。ひとつはオーガニック農法が保障されているということ。それは農場やガーデンがオーガニック証明団体に認可された肥料、土壌改良材、自然に由来する殺虫剤のみを使っているということです。
もうひとつはオーガニック材料を使って素晴らしい土づくりをして植物を育てていること。オーガニック材料は土を豊かな土壌に変え、ガーデナーが切望する黄金の真っ黒な土にしてくれます。私たちはこの宝物をオーガニック材料を加えることで手に入れることができます。

【オーガニックの2つの意味】

① 保障されたオーガニック農法のこと・・・化学合成の肥料や殺虫剤、除草剤を使用しない栽培
② オーガニック材料を使って庭づくりをすること・・・有機質をたっぷり含む土で育てる栽培
            
                   *オーガニック=生物由来のもの、有機質、有機体

2、オーガニック材料の役割

オーガニック栽培は土中の微生物や自然の力を借りながら植物自身が体力をつけ成長する、昔から行われている栽培方法です。人工的な栽培方法は常に人間が管理し続ける必要がありますが、
オーガニック栽培は植物自身が必要な時に必要なだけの水分や栄養分を土壌から補います。植物が自立して健康に育つことが出来るよう環境を整えることが、オーガニック栽培の中で最も重要な仕事になります。
有機質は土の中で重要な役割を果たします。砂地では粒を結びつけて穴を埋め、またスポンジのように水分を蓄えることで水を保つのを助けます。粘土では小さな粒を結びつけて大きな粒にし、水はけの経路を作ります。有機質はミミズを増やし、ミミズは水はけのトンネルを作ってくれます。有機質のかたまりは土の構造を改良したり、バクテリアが働いて栄養素を土中に放出したりするのに役に立ちます。しかし、有機質は土中に栄養素を含ませるには良い材料ですが、それ自体が栄養豊富な肥料という訳ではありません。栄養素が足りない植物には肥料を使うことが必要です。

【オーガニック栽培の特徴】

① 土地をやわらかくする/有機質を含む土は植物の根が育つスペースを作り、再び掘り返す手間を減らします。
② 湿り気と水分を保つ/スポンジのように水分を含むことができます。
③ 空気の保持と排水路を作る/水やりをすることで新しい空気が入り、土が呼吸します。
④ 微生物が活発に活動する/微生物に住み良い環境と食べ物を与え健康で幸せな集団を作ります。
⑤ 栄養素保持と再生/植物の食べ物を蓄えた家になります。

3、植物の栄養素

植物は光合成を通じて空気と水から取り入れた、酸素、炭素、水素で構成されています。植物が健康に成長するためには他に約30種類の必須栄養素を土から取り入れることが必要です。
化学合成された液肥などは早く栄養補給するのには便利ですが、水に溶けやすいため流れ去るのも早く効果は限定的です。土の中の有機質由来の栄養はゆっくり永く効きます。
雨の多い地域では空気中に含まれる窒素が雨と一緒に土の中に補給されやすくなります。マメ科の植物の根は窒素をためやすい性質があり、土にすき込む緑肥として利用されます。

【主な栄養素】
① 窒素 nitrogen 1.5%〔葉を育てるのを助ける〕
〈不足すると〉
・成長が遅くなる
・上部の葉がうすい緑色に下部の葉が黄色になる
〈自然の存在場所〉
・雨の中
・マメ科の植物の根粒
・堆肥
・微生物のいる有機質土壌

② リン phosphorus 0.2%〔根の成長を促進する〕
〈不足すると〉
・葉の先端が紫になる
・赤と紫などの暗い葉は秋に早く葉を落とす
〈自然の存在場所〉
・鉱物や土の中
・動物の糞や骨

③ カリウム potassium 1.0%〔実や花の生産を助ける〕
〈不足すると〉
・地面に近い古い葉の先端や端が黄色くなり、茶色くなったり枯死したりする
〈自然の存在場所〉
・鉱物や土の中
・果実
・落ち葉

【微量要素】
① マグネシウム 0.2%
〈自然の存在場所〉
・白雲石

② 硫黄 0.2%
〈自然の存在場所〉
・火口付近の鉱物

③ カルシウム 0.5%
〈自然の存在場所〉
石灰岩、卵殻、貝殻、硬水、骨粉、硬化した海藻、過リン酸塩

【その他微量要素】
鉄0.01%、塩素0.01%、
ホウ素0.002%、マンガン0.005%、
銅0.0006%、モリブデン0.00001%
〈自然の存在場所〉
・大きな有機質のかたまり、海藻生産物等

*%の数値は植物を乾燥した時に植物に含まれている栄養素の割合
*イギリスではリンは根の根の成長、カリウムは花や実の生産を助ける栄養素としています

 〈参考文献〉
BUILDING SOIL / ELIZABETH MURPHY
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年4月21日の内容です。次回は6月16日「オーガニック栽培」有機質と栄養について。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


シビックガーデンのブラックベリー

「土とコンポスト」根が育つ環境づくり

What is soil ? 〜 土って? 〜
植物の視点で見ると土は彼らの家です。そこには彼らの根が必要とする様々なものが用意されています。栄養、水、そして空気等です。土は彼ら自身がまっすぐ立つために根を固定する場所でもあります。また、根が乾いたり、直射日光が当たったりするのをふせぎ、根を守ります。
by Alan Titchmarsh

1、 土を構成するもの

①ミネラル・・・鉱物由来のもの(砂、石、砂利等)
②オーガニック・・・生物由来のもの(葉や枝の堆積物、虫や動物のフン、虫や動物の死骸等)

【ミミズの視点】

ミミズの視点で見ると地面の中は異なる層の重なりでできていることが見えてきます。表面には植物が暮らし、その層には植物の堆積物など生物由来の有機物があります。これは腐葉土として知られていて、土を改良するのに不可欠な材料です。地球上で最も豊かな層で、まさにトップソイルです。この層はほとんどの植物の根を育てます。
その下の層は多分、粘土層か砂利層か砂地です。それは通常栄養不足で、リッチなトップソイルのように根を育てるのに適していません。下の層の下は割れた岩や、岩の塊が現れます。これらの層が現れる深さは庭によって異なりますが、トップソイルに近い深さであればあるほど植物が育ちやすい層になります。

2、土の役割

① 根が必要とする水、空気、栄養素を蓄える場所
② 根の成長を左右する生活環境

【土の中の栄養】

土を使わなくても植物を育てる方法はあります。化学製品を利用する生産者や水耕栽培やハイドロカルチャーなどです。しかし、土を使わずに育てることは、その植物が必要とする栄養素を知り、供給し続ける必要があります。
土を使って育てることはもっと簡単です。なぜなら、植物自身が土の中から必要な栄養素を探して取り入れ、必要のないものは取り入れないからです。
健康な土には植物自身が必要としている食べ物がたっぷり含まれています。土の中では自然界に存在する微生物が働き続け、大気に含まれる窒素以外の栄養素を作り出したり、植物の細胞を作ることを助ける特別な菌が根の周りに共存したりしています。

【土の中の空気と水】

植物の根には呼吸をするための酸素が必要です。彼らは土の粒子の間の小さな空間からそれを得ています。土は自然に小さな穴を持ち、それを可能にしています。
砂地は大きな粒子で構成されていて、それに伴ってその間には大きな空間が生まれます。砂地が早く乾くのは水が走り抜ける空間がたくさんあるからです。粘土質やシルト質(沈泥)の土はとても粒子が細かく、空気の入る隙間が小さいことに加え、水が走り抜けることが非常に困難で水が溜まりやすくなっています。そこで有機質材料が重要になります。有機質はスポンジのようで、どちらのタイプの土も改善することができます。砂地の隙間を埋め、水分を保つのを助けます。粘土質の土では細かい粒子をつなぎ、ひとつの塊にしながら、水はけの隙間を作ります。

3、土壌改良

あなたが運良く自然な良い土地を手に入れない限り、その土地を改善する必要があるでしょう。
土壌改良には2つの方法があります。ひとつは穴を掘り、バークなどの有機質、堆肥やガーデンコポストを中に混ぜ込むこと。もうひとつは肥料を入れること。人々はしばしばこのふたつを混同し、そのどちらかのみで改良できると思ってしまいがちです。しかし、土壌改良にはどちらも必要で、それらは土の中で異なった働きをします。

4、コンポスト(堆肥)とは

① ガーデンコンポスト・・・雑草や落ち葉、抜いた花壇苗などで作る堆肥
② 生ゴミコンポスト・・・生ゴミを含む家庭から出る有機質からつくる堆肥


新しく花壇を作る場所にはたくさんの有機質を入れ、固い花壇にはマルチングを冬に施します。材料は完熟腐葉土やホームメイドコンポストを使います。 ほとんどの人にとって一番安くて便利な有機材料はガーデンコンポストを作ることです。あなた自身が作ればコストはかかりません。ガーデンコンポストは他の有機質材料、バークや腐葉土より栄養素が多く含まれ、良質な土壌改良材になります。

5、コンポストを作るには

① ガーデンコンポスト作り
網や木材で枠を作り、材料を中に詰め込みます。樹木の下など、雨が当たり、適度な湿り気を保てる場所が最適です。バクテリアが活発に働く春から秋に分解が進み、半年後には利用可能。冬は分解が遅くなります。

② 生ゴミコンポスト作り
フタのある入れ物か、コンポスターなどを利用。密閉すればハエなどの飛び回る虫がわきません。 コンポスターのように地面に直接かぶせるタイプだと、地面からミミズやバクテリアが入って分解を早く進めてくれます。生ゴミは少量の土または有機質があれば分解できますが、入れ過ぎると土の水分が多くなり、酸欠になりやすいので、入れ過ぎた場合はウッドチップや落ち葉など、生ゴミ以外の有機質を足して水分調節します。

【コンポスト作りに必要なもの・こと】
① ちょうど良いサイズの入れ物
② 水分(バクテリアが活動しやすい)
③ 切り返し(空気を入れる)
④ 材料の表面積を小さくすること(カットする)
⑤ グリーンの材料(雑草やコーヒーカスなど水分量の多いもの)
⑥ ブラウンの材料(紙、木屑、落ち葉など水分量が少ないもの)

【コンポスト作りに入れない方が良いもの】
① プラスチック、メタル、オイル、ガラス等の 人工物(微生物が分解できずに土中に残る)
② 石炭やバーベキューの灰など(大気汚染物質を含み、ミミズや微生物が住みにくい)
③ 調理済みの食べ物(においで虫や動物を寄せてしまうため)
④ 犬猫のフン(大腸菌などの菌が分解されずに土に残り、野菜を汚染する可能性があるため)

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh
Guide to Composting, Wildlife Gardening & Sustainable Living / Irish Peatland Conservation Council


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