会場となった国営昭和記念公園

H29年度海外情報講演会レポート  2017年10月18日
World Urban Parks Japan、(一財)公園財団、(一財)公園管理運営氏会 主催
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国営昭和記念公園で行われた海外情報講演会。

フランス、リヨン市の緑地局長Daniel Boulensさんによるヨーロッパの公園のトレンドやフランスの花のまちコンクールなどについての講演でした。
ヨーロッパの公園は大きくわけて二種類あるそうです。ルネサンス時代の歴史あるお屋敷のガーデンをパブリックにした公園と、小さなグリーンスペースやポケットパーク、集合住宅などの新しい公園。
今多くの公共緑地に求められているのは農薬や除草剤を使用しない環境に配慮するEcologyでEcofriendly(生態系に優しい)な公共緑地。
期待は高く管理費は厳しくEconomy(低価格)。
さらに福祉や健康といった社会問題解決の役割も公園に求められています。

これは日本も同じ。

ただ除草剤をやめて自然にもどすだけではジャングルになります。
自然な風景になるように専門家が手を入れて作り、もともと自生している植物がもどってくるような限りなくナチュラルに近い自然に見える持続性のある管理をすることで生物多様性が生まれるという公共緑地管理をリヨン市では行っています。

これぞガーデナーの仕事ですね。

すごいのは、駐車場の排気を壁面緑化の植物に直接パイプでつないで浄化させたり、ディーゼルをナタネ油に変えるだけでなく、チェーンソーの油をバイオ潤滑油に変えたり、パーク内のごみ収集車を馬車にしたりする徹底ぶり。
エコロジカルフットプリントの使用を押さえる活動を公共緑地が徹底して行っています。
リヨン市がここまで真剣に取り組んでいるのはフランスでは都市の緑化の質を評価するミュシュランのような花のまちコンクールの存在があるから。評価は「星」ではなく「花」で表します。4つ花が最高評価でリヨン市は今3つ花。今年の審査はまだ結果が出ていないそうですが4つ花を狙っているそう。
このコンクールでの評価は日本とは違い花の見栄えや市民参加だけでなく、生物多様性や持続可能性を考えた維持管理や、交通騒音や気候変動への対応をしているかなど、かなり厳しい審査内容となっています。
公共緑化が地域だけでなく地球規模の問題解決も担う場となっているという意識の高さが、美しい景観を維持するヨーロッパを作り上げているということを実感した講演会でした。

公共緑地を管理する皆様。
日本でも頑張りましょう。

Kaori Kondo


海外情報交換会資料

昭和記念公園の風景

昭和記念公園の野草


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年10月20日の内容です。次回は11月17日「景色を作る植物達」植物の名前と分類の基本。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


ワイルドオーツ Chasmanthium latifolium

「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方

What is pruning ? 〜 剪定って? 〜
ガーデナーの悩みの種、剪定。しかし、多くの植物はそれを必要としていません。悩みを解決する良い方法は、考えるのをやめ、自分自身に問いかけることです。
「あなたは初め、なぜ剪定が必要だと思ったの?」
by Alan Titchmarsh

1、草本性植物の剪定(一年草、二年草、草本性多年草)

① ストッピング ・・・若い株の枝数を増やし株にボリュームを出させ花付きを良くする作業
まっすぐ1本伸びた茎を「止める」ことでブッシュ状にする作業。5〜7.5cmで切ると地際から枝を出し、より良い形で葉や花をつけます。

② ピンチングアウト・・・成熟した株の切り戻し、整枝
やわらかい芽やダメージを受けた芽、古い枝を切り戻す作業。切り戻すことで植物自身が新しい芽を動かすのを手伝うことが出来ます。花の咲く位置を低くしたり、葉を形よく作ったりすることも可能で、夏咲きの植物にこまめに行うと花付きが良くなります。

③ 花がら摘み・・・株を老化させず花を長く楽しむためと美しい景色を維持するために行う作業
花がら摘みは植物に種をつけさせないようにする作業です。しかし、植物は常に花芽をつけることをし続け枯れるまで種を生み出し続けるでしょう。花がらを摘む位置やタイミングはそれぞれの植物に合わせます。

【長い花柄の花】長い花柄の付け根から花柄ごと取り去ります。成長点の周りは余分な花柄を残さずきれいに保つようにしましょう。(ex.ゼラニウム)
【短い花柄の多花性の花】個々にしぼんだ花を指でつまんでとります。(ex.フクシア、ペチュニア)
【バラ類】バラにとって花がら摘みは良い剪定になります。剪定ばさみを使い、枯れた花とともに15〜23cm切り戻します。切るのは葉の付け根のすぐ上。茎の下に新しいシュートを見つけた場合はその上で切ると早く新しい花芽がつきます。房咲きの花は咲き始めの1つだけは先に、終わった時切り取ります。房咲きの花全体が咲き終わった時は15〜23cm切り戻すと次の花付きが良くなります。個々の花はしぼむ度に摘み取ります。
【球根類】茎の上のしぼんだ花のみ摘んでとります。茎はそのまま残し、枯れかけている茎の中の栄養分を球根にもどすようにします。それは次の年の花を大きく咲かせる手助けとなります。
【細かい花のかたまり】細かい花の花がら摘みは不可能です。神経質に気にしなくても良いです。時々伸びてきた花を切り戻し、形を整える程度にしましょう。(ex.アリッサム)

2、木質性植物の剪定(樹木、シュラブ、木質性多年草)

① 形を作る剪定(発達させるために行う、形を改良する早い段階の整枝)
② 植物の形と習性を読む剪定(シュートを出させたり、弱い部分を復活させたりする)
③ 大きさを抑える剪定(高さや広がりを制限する)
④ 必要のない枝を取り除く剪定(弱枝やクロス枝、こすれ合う過密な成長枝を取り去る)
⑤ 4D枝を取り除く剪定(DEAD・枯枝、DISEASED・病気の枝、DYING・死にかけている枝、DAMAGED・痛んだ枝を取り去る)
⑥ 開花を改良する剪定(咲かせたい位置での開花、剪定により花付きを改善)
⑦ 実をつけさせる剪定(実付きを改善)
⑧ 葉や茎の成長と形、色を改良する剪定(強剪定で新芽を出させる)
⑨ 装飾的剪定(装飾的に形作るため、トピアリー、ヘッジ)
⑩ 先祖返りした枝やふつうでない枝を取り去る剪定(斑入り葉の中の緑葉、ひこばえ)

3、剪定のポイント

① シュラブ剪定のポイント
A. 葉の付け根の5mm上
B. 芽のすぐ上を切らない
C. 芽の方向を高くして斜めに


通常、葉の付け根、横に茎や芽が出ている部分の5mm上を切ります。芽が確認できていれば、切ることでそこから新しい枝が伸び始めます。休眠状態の芽は避けます。それより高い位置で切らないようにしましょう。なぜなら残った枝が枯れ込み、育てたい芽も一緒に枯らしてしまう可能性があるからです。
芽のすぐ上を切ることは避けます。すぐ上で切ってしまうと枝が成長するのに十分な場所が取れず、その芽から新しい枝を伸ばすのをやめてしまうでしょう。
芽が一つの場合、芽の方向を高くして斜めにカットします。芽が両方についている場合は付け根から5mm上をまっすぐに切ります。 

② 春咲きシュラブの剪定
いくつかの春咲きシュラブは毎年剪定をしないと暴れて汚くなります。放置された植物は枝が古くなり、花付きが悪くなります。花が咲き終わった後に力強い良い芽や若いシュートを残すようにして花がらと一緒に枝を切り戻します。毎年切り戻す事で春の花を多く保つことができます。6月下旬以降に咲くシュラブは晩冬から早春に切り戻します。

③ 強剪定向きシュラブの冬の剪定
いくつかのシュラブは強剪定に向いています。サンゴミズキや柳は毎年または1年おきにほとんど地際まで切り戻します。作業する時期は晩冬から早春の芽が動き出す直前、植物が成長し始める時に行います。これは古い枝を取り除き、カラフルで美しい新しい樹皮のシュートを出させるためです。冬の間に、枝を出すために必要な肥料を与え、新しい成長のための準備をします。

④ バラの剪定
A. 芽またはシュートの上で切る
B. 株立ち(bush)は冬に強剪定(地面から15〜23cm)
C. シュラブ(shrub)は花後に切り戻し(枝先から10〜15cm)


大輪または房咲きの株立ちのバラ(ハイブリダ、フロリバンダ)は毎年晩冬から早春に大きく切り戻します。すべての茎を地面から15〜23cmの位置になるようにカットします。枯れ枝や細い枝、弱い枝を取り除きながら強い枝を残します。ハードな剪定が難しい場合、新しいシュートを意識して育てます。外向きの芽の上を切るようにしましょう。
シュラブローズは春の強剪定は必要ありません。初夏に花の咲き終わった枝を10〜15cm切り戻します。

⑤ クレマチスの剪定
A. 原種系(タングチカ、オリエンタリス等)は剪定不要
B. 大輪系園芸品種(ハイブリダ等)は冬に強剪定
C. 小、中輪系園芸品種(ビチセラ、テキセンシス等)は春に芽を確認して剪定


いくつかのクレマチスは剪定が必要ですが必要のないものもあります。一番良い方法は購入する時に確認することです。タングチカやオリエンタリスやその園芸品種は通常剪定を必要としません。開花期の長いハイブリダは晩夏から初秋まで咲き続けます。それらは強く剪定する必要があります。冬に地面から30cmの位置までの切り戻しを2月下旬までには行いましょう。ビチセラやテキセンシスは春に勢いのある芽を確認して地際まで切り戻すことができます。
もちろん大きくなりすぎたクレマチスは強く切り戻す必要があります。晩冬に手を入れ、春からの成長に備えます。

*上記の剪定方法はイギリスで行われている方法です。日本での剪定と異なる場合がありますので参考程度にして下さい。

 〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


安城農林高校の庭仕事講座で使用した資料


種からスリット鉢で育てた花

第33回都市公園等コンクールの管理運営部門において
一般社団法人日本公園緑地協会会長賞を受賞しました!

5年間の実績が認められたことを大変嬉しく思います。
種から育てる植物が公園を生かし、
社会の課題解決に役立つことを実感しています。
全国に広がってほしい新しいしくみの公園管理運営です。
今後も発展していけるよう努力したいと思います。


都市公園等コンクール賞状

作品名:関わりたくなる花の公園 〜フローラルガーデンよさみ〜

【評価コメント】
管理運営部門
受賞作品:関わりたくなる花の公園 ~フローラルガーデンよさみ~
対象施設:フローラルガーデンよさみ
所 在 地:愛知県刈谷市 受賞団体:コニックス株式会社、株式会社フィーカ

イギリスの景観教育を参考にした指定管理者による公園の管理運営である。
新しい公園管理運営方法の仕組みを確立し、ボランティア育成や集客、地域交流を発展させた。
さらに、種から育てる花づくりが質の高い花の景観と植栽経費削減を両立させている。
花に特化した多様な主体を巻き込んだ管理運営が評価された。

一般社団法人日本公園緑地協会会長賞受賞作品概要より

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以下、作品の概要

〈アピールポイント〉
イギリスの景観教育を参考にした新しい公園管理運営方法の仕組みを確立し、ボランティア育成や集客、地域交流を発展させた。さらに、種から育てる花づくりが質の高い花の景観と植栽経費削減を両立させている。

〈概要・特徴〉
【公園で実践した10の管理運営】
①チーフガーデナーと専任のガーデンスタッフが維持管理する体制づくり
②既存のイングリッシュガーデンを生かして公園の魅力をアップ
③種から育てる園芸ボランティア活動
④英国の本から読み解く庭目線の園芸を学ぶ庭仕事講座を月に1度無料で開催
⑤景観からチラシまで「デザイン」にこだわる公園管理運営
⑥種まきから行う地域の花づくりを支援
⑦公園のユニバーサル利用を促進
⑧地域協働活動支援プレーパークと認知症カフェ
⑨「イベント」を「日常」にしたマルシェ
⑩環境を生かしたカフェ運営


多世代で種から育てる花作り


ジャルダンクラブ種整理風景

種から育てた花壇の手入れ


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年9月15日の内容です。次回は10月20日「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


Nigella seeds

「種から育てる植物」一年草と二年草

What are seeds ? 〜 種って? 〜
種には新しい植物の「はじまりのもと(biginnings)」が入っています。それは生きている生物体で、コーティングに守られている小さな植物。静かに休んでいて、休眠状態でゆっくりと代謝を続けます。成長が始まる要因に出会い、細胞が刺激されるまで。
by Chris & Valerie Wheeler

1、種の機能

① 繁殖 (REPRODUCTION)
種は植物を繁殖させる最も一般的な方法です。植物は彼ら自身を何度も何度も複製することで生き残り、新しい世代に性質が受け継がれます。種での繁殖を成功させたことは、野生でいくつかの植物が生き残ってきた秘訣であり、リスクを伴うものでもありました。
植物の次の世代は両親から離れ彼ら自身で自立する必要があります。莫大な数の種は、少しでも生き残り、次の世代を生育させるために必要な手段なのかもしれません。幾つかの種は何年かとどまっていることが可能です。彼らは干ばつや極端な温度が過ぎるまで待ち、良い環境が訪れた時革命を起こします。

② 変化 (VARIATION)
種からの繁殖は植物間で多様な個体群を作ります。花粉と胚珠により運ばれた遺伝子を組み合わせることにより異なる性質が混ざり、新しい独特の植物を生み出します。特定の組み合わせの遺伝子は植物や植物のグループにいつくかのおもしろい特徴を作ります。遺伝子的な性質と外見上同じように見えるものなどです。種は両親の遺伝子の組み合わせにより新しい性質が生み出され、この植物は両親の性質を反映します。種は親の系統や特質を持ちますが、完全なレプリカではありません。この有性生殖の結果、植物の間で変化が起こります。そして時間をかけて環境に適応していきます。

③ エネルギー貯蔵庫 (ENERGY STORE)
種は胚から成長するためにエネルギーを貯蔵する必要があります。水や栄養が植物内を移動し光合成することにより作られた炭水化物や脂質、たんぱく質は、葉から種へ移動し蓄積されます。

2、発芽

① 発芽の過程 (GERMINATION PROCESS)
種が水を得て、湿気を含み、膨張する → 新陳代謝が増え、特に呼吸が増えることで酸素を要求するようになる(水たまりに要注意) → 胚が成長し、コーティングを壊し、成長点が動き出す → 新しい細胞が作られ胚から成長した子葉が生まれる → 幼芽や根が伸び成長する

② 幼芽の種類 (TYPES OF GERMINATION)
発芽が始まった時、子葉は土の上に出てきます。緑色に変わり、最初の葉が現れます。茎が伸び、成長点の中からその植物の本当の葉、本葉が生まれます。初めの葉が本葉と異なるのは、幼根が発達しヒゲ根が伸びるまでの間、子葉にある栄養で成長させるためです。

③ 発芽が遅れる原因 ( OVERCOMING DELAYED GERMINATION)
・より生き残る可能性の高い環境になるまで発芽を待っている
・種の表面が固すぎて発芽できない → 傷をつけるか、水につけることを望んでいる
・胚が未熟だった → 十分熟すまで待って蒔く
・種の表面に成長阻害物質が付着している → よく洗い流す必要がある
・収穫時の種が未熟だったため発芽しない → 十分熟しているのを確認して収穫し直す

④ 発芽に影響を与える要因 (FACTORS AFFECTING GERMINATION)
【水】
発芽が遅れる原因で最も多いのが、発芽に必要な水分の不足です。もし種が乾いてしまったら発芽しなかったり、数量が減ったりするでしょう。また、水が溜まった状態は種に運ばれる酸素がなくなり、枯れる原因になります。

【温度】
多くの種は発芽適温を持っています。幾つかの種は適温より低い温度でも発芽することがありますが、成功率は低いでしょう。低温で発芽する多くの野菜は高い温度を敏感に感じ取ります。レタスやセロリなどは25℃を超えると発芽に失敗します。自然界では暑く乾きやすい夏は発芽が抑制されるからです。

【光】
光は一部の種の発芽に刺激を与えたり抑制したりする働きがあります。光を必要としている種(好光性種子)はレタス、セロリ、ほとんどのグラス類、多くの草本性植物、多くのコニファー類を含みます。

3、あなた自身の種を保存(SAVING YOUR OWN SEED)

庭から種を集めることは多くの植物の群落を作る素早い方法です。しかし、自家採種した種から同じものが生まれるとは限りません。種は他の幾つかの遺伝子が交配して生まれています。例えば、ジギタリスは300m先から他の遺伝子が届きます。品種名を持つ植物の種の自家採種は、異なる種類が生まれる可能性があります。F1ハイブリッドは種をつけることができない植物です。

4、種まき後のケア

種を蒔いた後、しっかりとした水管理が必要です。水やりはとても慎重に、細かい水の出るハスクチを使用することが大切です。優しく湿らせるようにし、種が浮いて流されないようにしましょう。水の量は控えめに土が湿る程度にします。水がたまってしまう状態は避けなければいけません。
発芽が始まったら土が乾く時間も作る必要があります。可能であれば早朝に水やりをし、日中は乾かすようにしましょう。乾湿を繰り返すことで根の成長を促進します。
種まき後に使用する水は水道水などクリーンなものにしましょう。雨水などはバクテリアや病原菌が含まれていることがあり、抵抗力のない幼苗にダメージを与える可能性があります。

5、種から育てる一年草と二年草

① 一年草と二年草の違い
一年草は一年間の間にライフサイクルが完結する植物です。発芽、成長、開花、種生産のすべてを一年の間に行い、そして枯れていきます。凍る気温に耐性のある「耐寒性(hardyハーディ) → 秋まき春咲き」と凍ることに若干耐性のある「半耐寒性(half-hardyハーフハーディ) → 春まき夏咲き」の大きく分けて二種類あります。
二年草はライフサイクルが完結するのに二年必要です。初めの年は発芽と葉の成長に専念し、二度目の冬を越えた後花が咲き、種を生産し、そして枯れていきます。二年草は十分外で冬越しします。
幾つかの多年草は一年草のように毎年種をまいて育てた方が良いものもあります。耐寒性がないものや、自然界で短命な多年草は一年草のように育てた方が良いでしょう。

② 庭での役割
一年草は庭の中で素早く、可愛らしく、安価に、多量に色を作り出すのに向いています。多くの花は何週間も咲き続けます。その間、カラフルなボーダーガーデンやコンテナガーデンを演出し続けます。
一年草は新しいカラースキーム(色の組み合わせ)に挑戦するのにも使い勝手の良い植物です。スポット的に新しい庭に入れたり、シュラブや多年草と組み合わせて一年を通して変化のある庭づくりをしたりするのに役に立ちます。

 〈参考文献〉
SUCCESS WITH SEEDS / Chris & Valerie Wheeler


安城農林高校の庭仕事講座で使用した資料


「フローラルガーデンの庭仕事」H29年8月18日の内容です。次回は9月15日「種から育てる植物」一年草と二年草。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉株式会社フィーカ 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


Basil 'Purple Ruffles'

「夏に活躍する植物」ハーブと暑さに強い多年草

Why herbs are ideal for the organic gardener ? 
〜 なぜハーブはオーガニックガーデナーにとって理想的なのか? 〜

ハーブを育てることは本当に楽しい。シルバーや斑入りの葉が小さくコンパクトにまとまり、明るい花色を持つたくさんの種類のハーブは香りの庭や子供の庭に向いています。もちろん、ガーデンを彩るだけでなく、料理の香りづけや、美容や健康にまで利用できます。さらに虫除けや液肥としても活躍するハーブ。安全で新鮮なハーブを育てる事はオーガニックガーデナーに欠かせない仕事です。
by Graham Clarke

1、ハーブの特徴

ハーブは何千年も前から利用され続けています。5000年前のバビロニアの粘土板には医療用にハーブが使われている様子が描かれています。エジプト人は紀元前1550年から医療用、香料、美容に利用するハーブを書き留め、儀式などで使用しています。

① 虫への耐性 (Tolerance to pests)
ハーブは通常強い味や香を持っています。味や香は植物の中にあるタンニンや苦味成分、粘液、アルカロイド、サポニン、グリコサイドによるものです。これらの物質は多くの害虫にとって口に合いません。アブラムシやナメクジ、うさぎや鹿までハーブにアタックすることを避けます。これらの成分は害虫をコントロールし、植物を健康に保つことに利用できます。

② 乾きへの耐性 (Tolerance of dry conditions)
ハーブの多くは日差しが強く乾いた大地からやってきました。一般的なハーブはインドや中国、地中海沿岸などが原産です。これは夏に多くの水が必要でないことを意味します。そしてハーブには必ずしも多くの有機質は必要でないとも言えます(有機質は保湿力を高めるため)。他の夏向きの植物に比べてもハーブは乾燥に強く、水やりを怠っていても生育します。

③ 栄養分が乏しい土への耐性 (Tolerance of poor soil)
通常、植物を育てる時は新鮮なコンポストを土にすき込んだりして、根が栄養や水分を補給しやすい土を毎年作り続ける必要があります。しかし、ハーブにはいつも必要なことではありません。多くのハーブの原産地は乾燥してやせた土地です。もし、ラベンダーを有機質たっぷりのよく肥えた土に植えて、栄養をもらい続けたとしたら枯れてしまうでしょう。これは通常多くの植物に行なっているガーデナーの仕事がハーブにとっては自然な方法ではないということを意味します。

2、ハーブの育て方

① どんな日差しの場所? (How sunny is the area?)
もしあなたがタイムやローズマリー、サボリーなど日差しが大好きなハーブを育てるなら、日が当たる場所に植えることが重要です。日の当たり具合を変えることより、その他の条件を変えることの方が簡単だからです。暑い地域から来た植物(ラベンダーやローズマリー、タイム)は比較的小さい葉で、表面の細胞は重なって厚みを持っています。それは壊れやすい葉緑素を強すぎる光や暑さから守るための構造です。多くのハーブには斑入り(タイムやセージ)や紫葉(バジルやセージ)の種類があります。強い日差しの下で必要以上に光合成をしないように変化したもので、斑入り葉は限られたスペースに葉緑素を置き、紫葉は緑色の葉緑素の上を紫色で覆って日差しを遮っています。斑入り葉を日差しが弱い場所に植えると光合成のための光が弱くなり、葉全体を緑にするように変化していくでしょう。

② どんな湿り気の土? (How moist is the soil?)
土壌の湿り気はすべての植物にとってきわめて重要です。ハーブも例外ではありません。特に地中海地方原産の香りの良いハーブは根が濡れたままの状態(wet feet)が嫌いです。ハーブガーデンを作る時は必ず水はけを良くしなければなりません。日の当たる緩い傾斜地が理想的です。

③ 土壌酸性度は? (What is the soil acidity level?)
弱アルカリ性の土は多くのハーブにとってベストの土です。パセリ、ローズマリー、バジル、チャイブ、ホースラディッシュ、セージ、タイムなどいくつかのハーブは弱酸性を好みます。重たい土(水を含みやすい)、水が溜まりやすい傾向のある粘土質、よく肥えた土ではハーブは濃厚なアロマティックオイルを作ることができません。多くの土は土壌改良で改善できますが、どこに植えるかはよく考えたほうが良いでしょう。

④ 利用しやすい場所は? (How accessible is the site?)
通常ハーブガーデンを持つのに便利な場所はキッチンドアの前。そこは新鮮な若葉を収穫しやすい最適な場所です。香りを楽しむために窓辺やテラスのアームチェアのそばに置くのも良いでしょう。暖かい夏の午後は香りが最も強くなります。よく利用する好みのハーブはポットに植えてキッチンの窓辺など身近に置いておくと良いでしょう。

3、暑さに強い多年草

① ハーディネスゾーン (Hardiness zones)
植物を育てる時、初めにあなたの住む地域の地理的な位置とそこに植える植物のためにはどんなケアが必要なのかを理解しなければいけません。ハーディネスゾーン〈注1〉は植物の原産地の温度帯を確認し、どのように育てれば良いかを知る目安として活用できます。


〈注1〉ハーディネスゾーンは気象条件(地帯の最低気温に耐えるその能力を含む)によって植物の特定のカテゴリーが成長することができる地域を地理的に定義したマップです。造園やガーデニングをするためのラフなガイドとして米国農務省(USDA)によって開発され、他の国にも採用されました。
(Wikipedia英語版より)

② 半耐寒性多年草と非耐寒性多年草 (Half-hardy perennials and Tender perennials)
日本の夏には強い日差しと蒸し暑さがあります。原産地が日差しの強い地域(地中海沿岸等)のハーブ類や光を反射する葉を持つシルバーリーフは日差しの強い日本の夏でも育てやすい植物です。育てる時に注意したいのは水はけと冬の温度。日差しの強い地域は乾燥地帯が多く、水が溜まりやすい土壌では植物が傷みやすくなります。また、日差しを好む多年草は、最低気温が−3℃以上の地域で育つ半耐寒性多年草も多いので−4℃より寒くなる地域では霜よけをするかポットに植えて移動するようにしましょう。熱帯地域原産の多年草(ハイビスカス、アンゲロニア等)は日差しにも蒸し暑さにも強い植物なので一年草扱いの夏の花壇材料としてよく使われます。これらは非耐寒性多年草なのでマイナスの気温では戸外で冬越しできません。鉢に入れ室内で凍らないように育てると翌年にも花を楽しめます。

 〈参考文献〉
THE ORGANIC HERB GARDENER / GRAHM CLARKE


安城農林高校の庭仕事講座用にまとめたハーブの資料


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