庭仕事講座

「フローラルガーデンの庭仕事」H28年11月18日の内容です。次回は12月16日「コンテナで楽しむ小さな庭」鉢植えで育てる植物。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
*お申込みはフローラルガーデン事務局0566-29-4330またはinfo@garden-yosami.jpまで


イングリッシュガーデン秋の風景

「景色をつくる植物達」一年草から樹木まで

What is a plant ? 〜 植物って何? 〜
植物は私たちに似ています。私たちは血管を通って流れる血液を持っていて、彼らは葉脈を通って流れる樹液を持っています。それは栄養やその他の活性成分を運びます。植物はホルモンと神経系のシステムによって生かされていて、それによって彼ら自身を再生したり動かしたりすることができます。
by Alan Titchmarsh

1、植物のパーツ
①根
2種類の根があります。ひとつはあなたもよく見ることができる、ポットの中や地面に生えている大きい根(branching root)です。それらは地面にしっかりと自身をつなぎ止めるために持っています。もうひとつは顕微鏡でないと見えないくらい小さな根毛(root hair)です。毛根は太い根の周りに生えていて、水と一緒に栄養分を吸い上げます。植物は栄養の固まりを直接食べることはできません。水の中に溶けた栄養を葉から水分を蒸発させるシステムによって引き上げるようにして得ています。

②茎
固い茎は植物が転ばないようにしたり葉や花、実をそれらが働くのにちょうど良い位置に留めたりします。長期間生育する植物は表皮が固く木質化します。樹木はより頑丈な骨組みで大きさや重さに強い茎を持ちます。
茎には2つの特別な細胞があります。ひとつは「木質部(xylem)」で水や栄養素を葉や茎に運びます。もうひとつは「師部(phloem)」で、デンプンなど光合成によって作り出されたものを植物体内に運びます。これらは成長に使われる他、根に運ばれ蓄えられます。

③葉
葉は植物の発電所(powerhouse)です。葉の中の葉緑素を使って太陽光と大気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水を化学反応(光合成)させ、デンプンなどを作り出します。デンプンは植物のパーツになったり、根などに蓄えられたりします。光合成により酸素も生み出されます。

④花と種
花は植物を再生するための方法です。花の中の雌しべから作られる種を含む果実は次世代を生み出します。花びらは受粉のための昆虫を呼び込むサインを出しています。種は光や水、栄養素が得られるより良い条件の場所で生きるため、親から離れてひとり立ちをします。

2、庭園材料としての植物
庭では用途に応じて植物を使い分けます。それぞれの性質を理解し、バランスよく配置することが庭づくりの第一歩です。

⑴ 樹木
茎が木質化し固くなり、数十年以上成長し続ける植物。

 ① 庭木(garden tree)
常緑高木、落葉高木。庭を形作る重要な植物。 建物と合わせて景観を作ります。基本的に一度植えたら移動しません。動線を考え、高さや幅を想定した上で配置し、ある程度の大きさになったら剪定して大きさを維持します。1本立ちはシンボルツリーや木陰作りに利用し、株立ちは自然風景的な景観作りに用います。
◎常緑高木(h1.5〜5m)・・・日陰を作る。目隠しをする。冬に存在感のある景色を作る。
オリーブ、常緑ヤマボウシ等
◎落葉高木(h1.5〜5m)・・・夏に日陰を作る。やんわりと目隠しをする。新緑や紅葉など季節感を楽しむ景色を作る。ジューンベリー、カツラ、ソロノキ等

 ② シュラブ(shrub)
常緑低木、落葉低木。景色に彩りを添える植物。高木と草花の間をつなぐ役割。葉や花が美しいものが多く季節感を出すのに役立ちます。根元から複数の枝が伸び、剪定や刈込みで形を整えやすいですが、手を入れないと大きくなり過ぎてしまうものもあります。
◎常緑庭木(h1.5〜5m)・・・葉色を楽しむ。 冬に存在感のある景色を作る。アオキ、斑入りマサキ、トキワマンサク、斑入りプリペット等
◎落葉庭木(h1.5〜5m)・・・花を楽しむ。 新緑や紅葉など季節感を楽しむ景色を作る。 アメリカテマリカンボク、カシワバアジサイ、バイカウツギ等

⑵ 多年草(perennial)
3年以上生育する植物。数年で枯れるものもあるのでさし木や種で増やすと良いでしょう。

 ① 常緑多年草(evergreen subshrub)
茎が木質化する小型の植物。日当りを好み、乾燥にも比較的強いものが多い。
◎耐寒性多年草/ラベンダー、ローズマリー、タイム等
◎半耐寒性多年草(耐寒ー4℃以上)/ゼラニウム、ペラルゴニウム等
◎非耐寒性多年草(耐寒0℃以上)/ハイビスカス等

 ② 落葉多年草、宿根草(perennial herbaceous plant)
秋に葉を落とします。草本性の宿根草は地上部が枯れ、根で冬越しし、春に再び成長し始める植物。基本的に耐寒性があります。夏の直射日光をさけた東向きの花壇や日陰に向く植物が多い。

⑶ 二年草(biennial herbaceous plant)
2年目に花を咲かせる植物。1年目で株を大きくし、2回目の冬越し後に花を咲かせます。大きな株になる存在感のある花壇材料。種をつけると株が枯れますが、比較的種で増やしやすい。ジギタリス、バーバスカム等。

⑷ 一年草(annual herbaceous plant)
1年間のうちに発芽、成長、開花、種の成熟、枯死のライフサイクルが完結します。種で増やします。日なた好きの植物が多い。原産地の気候に近い場所ではこぼれ種で増えますが、種をとって保管し、適切な時期に管理しながら種まきをする方が発芽率が良い。

 ① 春咲き一年草
9月のお彼岸前後に種をまき、12月までに定植。冬越ししながら株を育て春に花を咲かせる一年草。

 ② 夏〜秋咲き一年草
3月のお彼岸前後、霜が降りなくなった頃に種をまき、6月頃定植。夏〜秋にかけて花を咲かせます。霜が降りるまで楽しめます。大きく分けて高温多湿を好む熱帯性植物と高温乾燥を好む中南米原産の植物があります。原産地で多年草として生育するものの中には、霜よけすれば次の年も楽しめる植物もあります。

 ③ 冬咲き一年草
8月下旬から種をまき、10月上旬頃から咲き始める一年草。 本来は春咲き一年草の植物。早めに花を咲かせることで寒さで成長が遅くなる冬の間中、長く花を楽しめます。ビオラ、アリッサム、リナリア等。

⑸ つる植物
壁やパーゴラ、アーチなどに絡ませて景色を作ります。常緑性と落葉性があります。落葉性のものは通常冬に休眠のため葉を落としますが、夏に葉を落として休眠するものもあります。

〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarsh


「フローラルガーデンの庭仕事」H28年10月21日の内容です。次回は11月18日「景色をつくる植物達」一年草から樹木まで。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
〈定員〉70名 〈参加費〉 無料
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梅園横のオリーブとアンソニーパーカーセージ

「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方

What are pruning and training ?
あなたがどうすれば良いかは植物が教えてくれます。時には切ることが必要になるまで待つことがより良い選択になることもあります。多くの植物は特定の位置や形に手を入れることでより繁栄させることができます。それは彼らの好きにさせた時より自然に見えるでしょう。
by Mitchell Beazley

1、剪定10の方法
①形を作る剪定(発達させるために行う、形を改良する早い段階の整枝)
多くの樹木やシュラブは手を入れない方が自然形に育ちます。苗木を植えて約2年間、成熟するまでは込み合っている枝やクロス枝を取り除く程度の剪定にしましょう。

②植物の形と習性を読む剪定(形や性質を作ったり保ったりする)
剪定は植物に特定の影響を与えます。例えば自由奔放なつる植物は厳しく剪定や誘引を行うと、成長から離れ、もつれ合うのを抑えられなくなるでしょう。偏った形を読み、力強く成長するシュートを出す剪定と弱い部分を復活させる剪定により、バランスをとることが大切です。

③大きさを抑える剪定(高さや広がりを制限する)
その場所に対して大きくなり過ぎている植物は毎年切り戻す必要があります。しかし、やり方によってはバランスが悪かったり、上部が重くなったり、花がつかないことになってしまうでしょう。活発な再生を生み出し、毎年花が咲くようにするために一番大切なことは、限られた空間に合った小型の品種を選ぶことです。もし、その場所に合わない大きくなり過ぎる品種を植えてしまったら、冬の間に移動するか撤去する方が毎年強く剪定し続けるよりストレスのない方法となります。

④必要のない枝を取り除く剪定(弱枝やクロス枝、こすれ合う過密な成長枝を取り去る)
弱い枝やクロス枝、こすれたり込み合ったりしている枝は必要のない枝です。そのままにしておくと風でこすれて傷ついたり、枯れ込んだりして、虫や病気を呼び込む原因につながるので出来るだけ取り除くようにしましょう。また、株の中心に向かって伸びている枝は風通しや日当りを悪くし植物を弱らせるので切り取るようにするべきです。


⑤4D枝を取り除く剪定(枯枝、病気の枝、死にかけている枝、傷んだ枝を取り去る)
 ・DEAD 枯枝
 ・DISEASED 病気の枝
 ・DYING 死にかけている枝
 ・DAMAGED 傷んでいる枝
これらの枝はすべて取り除き、健康な枝を出させる必要があります。枝は霜や強風でダメージを受けたり死にかけたりします。病気や寄生している虫は早期に見つける必要があります。庭をまわりながら、心配事が無いか常に気にすることで被害が広がるのを防ぐことが出来ます。

⑥花をつけさせる剪定(開花を改良)
多くの植物は剪定をすることで花付きが良くなります。剪定は花を成長させる方へエネルギーを向けることが出来るからです。ブッドレアは冬に地際20〜30cmまですべての枝を切り戻すことで若い枝が出やすくなり、花の時期が長くなります。ライラックやバラ、クレマチスは剪定をすることで目の高さで花を見ることができるように調整します。

⑦実をつけさせる剪定(実付きを改良)
フルーツの花付きを良くするためには剪定し花付きを改善させる必要があります。装飾用のフルーツは食用とは異なる剪定方法で剪定します。

⑧葉や枝の色を出すための剪定(葉や茎の成長と形、色を改良)
葉や枝の色の美しさために育てる植物は剪定をすることでさらに彩りよく育てることが出来ます。 強く剪定することで葉を茂らせたり、新芽の葉色や枝色を出したりして景色を作ります。キリやスモークツリー、エルダーは強く剪定することで葉が大きく育ちます。サンゴミズキやヤナギは毎年時際まで剪定することで美しい枝を楽しむことが出来ます。

⑨装飾的剪定(装飾的に形作るため)
刈り込むことで植物の形を美しく保ったり、芸術的なトピアリーを作ったり、剪定や整枝をすることで植物を装飾的に利用することが出来ます。

⑩その他の剪定(先祖返りした枝やふつうでない枝や根を取り去るため)
斑入りの葉を持つ植物に緑色の葉が現れた場合、取り除くことが大切です。また、ひこばえや地上に出ている根も整理する必要があります。

2、種類別剪定作業
剪定により新芽を出させることが大切です。放置していると花付きが悪くなったり形が乱れて景色を作れなくなったりするので、古枝になる前に剪定で刺激を与え、出来るだけ新しい枝が出るように手入れをしましょう。

多年草(宿根性)
【普段の手入れ】
・花殻つみ(花後、柄の部分まで)
・ピンチ(分枝で株にボリュームを出す)
・切り戻し(形を整える、新芽を揃える)
【冬支度】
緑葉を残し、地際まで切り戻す

多年草(落葉木質性)、落葉低木
【普段の手入れ】
・1年目/①④⑤の剪定
・2年目以降/上記のすべての剪定
・切り戻し(形を整える、新芽を揃える)
【冬支度】
・花殻つみ
・地際約20cmで強剪定(ブッドレア、アナベル等)

多年草(常緑木質性)、常緑低木
【普段の手入れ】
秋冬の剪定は特に必要ない。初夏の勢いがある時に形を整える
【冬支度】
秋冬の剪定は特に必要ない。初夏の勢いがある時に形を整える

〈参考文献〉
The Royal Horticultural Society PRUNING & TRAINING / Mitchell Beazley


「フローラルガーデンの庭仕事」H28年9月16日の内容です。次回は10月21日「剪定と整枝」植物の気持ちに添った枝の切り方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
イギリスのガーデン本を読み解きながら庭目線の園芸基礎知識を学ぶ勉強会。
園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
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リナム、スカビオサ、ニゲラ他の種

「種まきと春咲き一年草」種から育てる春の草花

What are seeds?
あなたが種について考える時、種は小さくて不思議なものだと感じるでしょう。それはちょうど鳥のたまごのように小さな命が入ったカプセル。彼らは春の光とコンディションを感じるまで眠っています。
by Alan Titchmarsh

1、種と発芽
種が発芽するために必要なのは空気と温度、そして湿り気です。栄養素を与える必要はありません。彼らは双葉を作る材料と根を形作る材料を種の中に持っています。しかし、それ以上大きくなるには周りからの栄養が必要となります。
自然界では種はチャンスを得なければ発芽しません。そして、決して多くの種が発芽出来るわけではありません。なぜなら良い場所に落ちるとは限らないからです。生きられるかは周りの環境で決まります。多くの植物の種は無駄に消えていきます。
しかし、ガーデンや家庭では注意深く環境を整え、無駄にせずに多くの種を発芽させることが出来ます。

2、発芽のためのゴールデンルール
発芽は種のファーストステージです。それは初めての茎、初めての根が出る時でもあります。種に合う種まきの仕方をすることは良い発芽を導くことになります。
目安として種の大きさと同じくらいの厚みの覆土をすることが基本です。

◎大きい種(えんどう豆等)
種をまく前に水に浸す必要があります。特にさやえんどうなど大きな豆は12時間水に浸す必要がありますが、それ以上長く浸し過ぎると空気が足りなくなり成長しません。

◎中くらいの種(フレンチマリーゴールド等)
リンゴの種からマスタードの種サイズまでは、土を入れたシードトレイやポットにまいた後、ちょうど種が隠れる程度に薄く覆土をします。決して深く穴を掘ってまいたり、厚めに覆土したりしないようにして下さい。

◎とても小さい種(ベゴニア等)
ホコリのようにとても小さい種は覆土をしません。水やりは種が流れないようにやさしく行います。乾いてしまうのを防ぐために透明なビニールシートで覆い、湿気を保つようにしましょう。

◎固い種(カンナ、スウィートピー等)
固い種は表面が分解しないと発芽が始まりません。種の表面にキズをつけ、覆いに穴をあけることで発芽を早めることが出来ます。しかし、これはリスクも伴います。覆いの中にある白い部分を傷つけず、表面を小さく削るようにすることが大切です。

◎寒さに合わせる処理が必要な種
いくつかの樹木、シュラブ(低木)、多くの山野草はとても寒い気候に出合う経験をするまで発芽しません。それらをまくのは秋です。通常一度冬を経験した後発芽しますが、いくつかの種類は発芽まで2、3年かかるものもあります。あきらめずに水分を保つようにしましょう。

◎湿地植物の種
湿地植物の種は湿り気を保った状態を維持することが必要です。種をまいたシードトレイやポットの下に深さ2.5cmの水を溜められる入れ物を置きます。土の表面まで水分が上がって来るようにしますが、湿地植物以外はこの方法をしないで下さい。水分が多すぎて酸素不足になります。

◎羽やしっぽがある種
羽やしっぽのある種は隣同士が重ならないようにまきます。砂利など重さのあるもので覆土し、風で飛ばされないようにします。

3、種まきに必要なもの
・清潔なポットやシードトレイ
・新しい種まき用培養土、またはマルチ培養土
・プラントラベルと鉛筆
・種
・粉ふるい
・ハスクチが細かいジョウロ
・ラップ、発芽用加温器(必要に応じて)

4、種まき後の管理とポット上げの注意点
・土の表面が乾かないように水やりに気をつけること
・発芽後2週間過ぎたら液肥で栄養分を補う(1週間に1度)
・ポット上げ時は根を切らないように移動すること
・ポット上げ時は茎ではなく葉を持って移動すること

5、春咲き一年草
春に花を咲かせる一年草の多くは耐寒性を持っています。秋に種から育て地に植え、冬になる前に十分に根を成長させた株は、春の花付きが多くなります。多少寒さに弱い種類でも秋に十分に育った株は冬越しする力を蓄えることが出来ます。庭に植える一年草は種から育てることで周りの環境に適応し、丈夫で健康的な株として長い期間花を楽しませてくれるようになるでしょう。

【植物の性質別表記】

HA〔Hardy Annual〕耐寒性一年草/マイナスの気温にも絶えられる一年草
HHA〔Half-Hardy Annual〕半耐寒性一年草/マイナス2、3℃程度までなら絶えられる一年草
HB〔Hardy Biennial〕耐寒性二年草/マイナスの気温にも絶えられる二年草
HP〔Hardy Perennial〕耐寒性多年草/ マイナスの気温にも絶えられる多年草
HHP〔Half-Hardy Perennial〕半耐寒性多年草/マイナス2、3℃程度までなら絶えられる多年草
HHP treat as HHA一年草扱いの多年草/多年草の仲間だが寒さに弱いか自然界で短命のため、毎年種から一年草のように育てるもの

〈参考文献〉
The Complete How to be a Gardener / Alan Titchmarh


「フローラルガーデンの庭仕事」H28年8月19日の内容です。次回は9月16日「種まきと春咲き一年草」種から育てる春の草花。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
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〈講師〉 ケイズガーデン 近藤かおり(フローラルガーデンよさみチーフガーデナー) 
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イングリッシュガーデンのナスタチウム

「庭植えハーブ」代表的なハーブの育て方

If you are interested in growing herbs you will probably also be interested in a more organic and environmentally aware lifestyle.
ハーブ栽培とオーガニックガーデニングの起源には密接な関係があります。ハーブを育てることに興味を持つことは、オーガニックや環境を意識したライフスタイルにもまた興味を持つことになるでしょう。
by Graham Clarke

1、ハーブガーデンの計画
ハーブガーデンを作ると決めた時、どんな場所で、どんなスタイルが良いのか決める必要があります。あなたのハーブガーデンが成功するために必要なことは何かを考えましょう。

【ハーブの性質】

日の当たり方
多くのハーブは日当りを好むが、斑入り葉や紫葉は弱い光でも生育可能。
土の湿り気
通常の湿り気を含む土(有機質の多い土)で良いが、アロマティックハーブはそれを好まない。特に地中海沿岸原産のものは水はけを良くすることが必要。
土の酸性度
地中海沿岸原産のハーブはアルカリ性土壌を好む。
虫に対する耐性
ハーブは通常、強いにおいやアロマオイル、タンニンなどの薬効成分を体内に持っていて、それらの多くはアブラムシやナメクジなど庭に普通にいる虫がきらいな成分のため、虫除けなどに利用しやすい。
乾燥に対する耐性
一般的なハーブはインドや中国、地中海沿岸のものなど、太陽が輝く、乾燥した地域原産のものがほとんど。それは夏に多くの水やりが必要ないことを意味する。

【ハーブガーデンの種類】

フォーマルハーブガーデン幾何学模様と直線を用いたシンメトリーのデザイン。ブロックなどで通路を造る。通常1区画ごとに同じ種類のハーブを入れる。
インフォーマルハーブガーデン場所や好みに合わせて自由にデザインする。様々なハーブを混植することができる。
ハーブホイール車輪を用いたクラッシックデザイン。多くの種類を狭い場所で育てることができる。
キッチンガーデン野菜畑と一緒に作る。料理用のハーブを野菜と一緒に収穫しやすい。
ウィンドウボックス装飾的に色々なハーブを混植する。コンテナやポットはハーブを育てやすい。家の近くに置けるので多くの種類のハーブを利用しやすい。
室内の窓際ポット種から育てる一年草や収穫してすぐ使いたいハーブ向き。ex.バジル、チャイブなど

2、ハーブの増やし方と手入れ
バジルやディルなどの1年草は種から、ラベンダーやローズマリーなど茎が木質化するハーブはさし木で簡単に増やすことが出来ます。ハーブ類は切り取ることで次の枝が出やすいものが多いので、次々に収穫し新芽を出しやすくすると良いでしょう。ブッシュ状に育つタイムやラベンダーは花後(通常初夏)に刈り込むことで形よく保つことが出来ます。

3、ハーブの病害虫対策
ハーブ類は強い香りやオイルのため、他の植物より虫が寄りにくいものが多いですが、アンゼリカやボリジ、ディルなどアブラムシがつきやすいハーブもあります。食用にも利用するハーブ類を家庭で育てる場合、出来るだけ人工的な殺虫剤を使用したくはありません。 少しの範囲なら切りとって処分しましょう。大きな範囲でコントロールが難しい場合は天然由来成分の殺虫剤や石鹸水を使用します。

4、季節の庭仕事と代表的なハーブ
香りの良いハーブの収穫は香りの成分が強く残るよく晴れた日に行います。ちょうど良く熟した花や葉をタイミング良く摘み取るよう時期を見計らい、健康な枝のみ(5d〈枯枝、劣化した枝、 ダメージ枝、 病気の枝、色が抜けた枝〉を除く)を収穫すると良いでしょう。

【春の庭仕事】
〈2〜3月〉株分け、種まき(室内)
〈4〜5月〉 種まき(屋外)、植え付け、移植、施肥、除草、軟枝挿し、剪定と整枝、フレッシュハーブ収穫
◎代表的なハーブ
〈株分け〉ベルガモット、カモミール、ヒソップ、ミント
〈種まき〉 バジル、ボリジ、フェンネル、コリアンダー、チャービル、チャイブ、ディル、レモンバーム、パセリ、セージ
〈軟枝挿し〉 ラベンダー、マジョラム、ミント、ローズマリー、ルー、セージ、フレンチタラゴン、ウィンターセボリー、タイム
〈剪定と整枝〉月桂樹、ヒソップ、ラベンダー、ルー、タイム
〈フレッシュハーブ収穫〉アンゼリカ、レモンバーム、月桂樹、ボリジ、キャラウェイ、チャービル、チャイブ、フェンネル、ミント、パセリ、ローズマリー、タラゴン

【夏の庭仕事】
〈6〜8月〉非耐寒性ハーブ植え付け、除草、水やり、施肥、ドライハーブ収穫、種の収穫、剪定と整枝
◎代表的なハーブ
〈ドライハーブ収穫〉 セージ、ラベンダー、レモンバーム、ヒソップ、タラゴン、ローズマリー、タイム、マジョラム、セボリー
〈種の収穫〉アンゼリカ、アニス、キャラウェイ
〈剪定と整枝〉夏のシュート、ヘッジ、トピアリー等

【秋の庭仕事】
〈9〜11月〉 除草、非耐寒性ハーブ室内へ移動、半耐寒性ハーブ霜よけ、最後の剪定、 ドライ(または冷凍用)ハーブ収穫、種の収穫、腐葉土のマルチング、カットダウン
◎代表的なハーブ
〈非耐寒性ハーブ室内へ移動〉バジル、コリアンダー
〈半耐寒性ハーブ霜よけ〉ニオイゼラニウム、レモンバーベナ
〈最後の剪定〉月桂樹、カレープラント、ラベンダー
〈ドライ(または冷凍用)ハーブ収穫〉 セージ、タンポポの根、マリーゴールド、ラベンダー、パセリ、ペパーミント
〈種の収穫〉アンゼリカ、アニス、キャラウェイ、チャービル、フェンネル

【冬の庭仕事】
〈12〜1月〉根伏せ(室内)、土のphチェック(アルカリや酸性が強い場合、有機質や堆肥を入れて調整)、落葉樹剪定、テラコッタポット移動(凍らないように)、枯枝や枯れ葉撤去(病気を持ち越さないように)、ハーブガーデン計画、種の注文、フレッシュハーブ収穫
◎代表的なハーブ
〈根伏せ〉ミント、ペニーロイヤル、タンジー、タラゴン
〈落葉樹剪定〉 エルダー
〈フレッシュハーブ収穫〉室内や温室に移動した非耐寒性や半耐寒性ハーブ

〈参考文献〉
THE ORGANIC HERB GARDENER / GRAHM CLARKE


「フローラルガーデンの庭仕事」H28年7月15日の内容です。次回は8月19日「庭植えハーブ」代表的なハーブの育て方。
■ フローラルガーデンの庭仕事講座/毎月第3金曜日 10:00〜11:30
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園芸と庭づくりの基礎を学ぶとともにフローラルガーデンの植物について説明します。
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ダリア ビショップオブヨーク

「虫と共存する庭づくり」虫や病気との付き合い方

preventing the occurrence of the problem 〜 問題の発生を予防するには? 〜
植物の健康に関する心配事はいつもあります。しかし、良い環境の庭では虫や病気に攻撃されることは希です。植物が健康に育つのに必要なもの、必要ないものは何かを知ることで避けられる心配事もあります。
by Alan Titchmarsh

1、自然を理解すること
植物は自生地では健康で良い状態に育ちますが、庭では自生地に近い土壌コンディションを整え、水分量、肥料分を調整することで植物が健康な状態になるようにする必要があります。
基本的に自生地と極端に異なる環境下では、植物が弱り、虫や病気に対して抵抗力がなくなります。例えば、自生地が乾燥地帯で水分をあまり必要としていない植物が、毎日水を与えられたり、水はけの悪い土壌に植えられたりした場合、虫や病気の問題が発生しやすくなります。

2、植物を守る10の方法
① 植物を健康に保つ(Healthy plants)
植物が健康であればダメージを受けた時の回復が早くなります。特に水を正しくコントロールすることは植物を健康に保つ近道です。

② 抵抗力のある品種を選ぶ(Resistant varieties)
花の色や実の大きさなど植物を選択する要素は数多くありますが、耐病性、耐暑性、耐寒性を考えて選ぶことで、花や実を失うリスクを抑えることが出来ます。ブリーダーが環境適応能力の高い植物を選抜し、生み出した、庭植えに適した植物を選ぶこともおすすめです。

③ かしこい文化的な方法(Cunning culturel methods)
理にかなった方法で虫や病気を寄せないようにします。例えば、ナメクジは湿気が多い場所を好むので風通しを良くしたり、乾きやすい環境にしたりすることで減らすことができます。耐寒性のある植物は、秋に種を蒔き、冬越しをさせると病気や虫に強い個体になります。

④ 障害物を置く(Barriers)
コッパーリング(銅の輪)はナメクジをよけるのに効果的です。
泡立てた石鹸を木の幹にぬると虫を動きまわれなくするのに役立ちます。また、石鹸は虫を窒息させたり、匂いで虫を寄せ付けなくしたりすることも出来ます。

⑤ 見つからないようにする(Hide and seek)
虫は匂いで食べ物を見つけます。鳥は色や形で好みの食べ物を見つけます。植物を1種類で育てるのではなく、ミックスして植えると匂いや形を隠すことが出来ます。例えば玉ねぎとニンジンを一緒に植えたり、キッチンガーデンの周りをラベンダーで囲ったりすることで虫や鳥の被害から守ることが出来ます。

⑦ 補食動物を使う(Encourage natural predators)
自然界ではすべての生き物に敵がいます。植物を食べる虫を食べる動物を呼び込むことで虫の害を減らすことが出来ます。
例)鳥が住む巣箱を置く。てんとう虫やクサカゲロウが住むインセクトホテルを置く。

⑧ コンパニオンプランツ(Companion plants)
コンパニオンプランツとは相性の良い植物のこと。一緒に育てることで片方が虫を引き寄せたり、寄せ付けないようにしたりして虫の害を減らします。また、栄養豊富な土づくりに役立つ植物を一緒に育てることで天然の肥料を得られます。
ネギやニンニクの仲間はバラやフルーツと相性が良く、細菌による感染症に強くなります。また、バラと一緒にラベンダーを植えるとアブラムシが少なくなります。
マメ科の植物は窒素、コンフリーはカリウム、ソーンアップル(ダチュラの仲間の雑草)はリンを集め、植物を健康に育てることに役立ちます。

⑨ 生物学的にコントロールするものを購入すること(Buying in biological controls)
自然界に存在する虫や細菌、病原菌を使った効果的な生物農薬は商業的に販売されています。それらは決して安いものではありませんが、生物学的に正しい方法でコントロールすることは転ばぬ先の杖になります。

⑩ 直接とる(Direct action)
シンプルに虫を自分の手で取ります。取った虫は高塩分の水や熱湯に入れるか、凍らせると確実に殺すことが出来ます。発見したらすぐ行動を起こすことが大切です。手で取ることが難しい虫(アリ、温室コナジラミ等)はハンドクリーナーで吸い取って集めます。集めた虫は袋に詰めて殺すか、遠くに捨てましょう。

3、殺虫剤の種類
①天然由来成分の殺虫剤・・・自然界に存在するもののみで作られた殺虫剤。
接触によって殺虫する接触性のものが多い。植物が吸収することで効果が現れ、1ヶ月以上効果が続くものもある。
②化学成分の殺虫剤・・・人工的に化学物質を抽出または合成して作られた殺虫剤。
即効性があるが、益虫を死滅させたり、化学物質が残留したりすることで自然界のバランスを崩す恐れがある。
③天然由来成分と化学成分が混ざった殺虫剤

天然由来成分の殺虫剤

問題および治療法
【虫害 、細菌やバクテリアによる感染症】
・ボルドーミックス(硫酸銅と殺菌剤として使われる消石灰を混ぜた予防スプレー。分解しにくく毒性がある)
【うどんこ病 、黒点病】
・炭酸水素カリウム(接触性殺虫剤。時々石鹸や油を固める材料として入っている)
【細菌による感染症、昆虫】
・硫黄(粉または脂肪酸入りスプレーの接触性殺虫剤。いくつかの植物にはダメージがあるので小さな場所で試すことが必要 )
・液体石鹸または石鹸殺虫剤(アルコールの入った脂肪酸カリウム。接触性殺虫剤スプレー。水中生物に毒。監視下において安全 )
・ごま油/ブレンド魚油(通常スプレーを使用する。昆虫用の毒より早く効く。水質を安全に保つ。予防効果がある)
【昆虫】
・グリースか接着剤のバンド( 冬に動くガに。通常アブラナ油から作られる)
・フェロモントラップ(ガに)
・植物性オイル(菜種油をベースにした接触性スプレー殺虫剤。おそらく、てんとう虫やミツバチには無害)
・除虫菊粉(除虫菊の抽出物による接触性殺虫剤。水生生物に有害。ミツバチも殺す)
・ベタベタトラップ(温室の中に吊るして飛んでいる虫に仕掛ける)
・冬の樹木洗い(植物性オイルスプレーで冬越ししている昆虫の卵を窒息させる)
【ナメクジ】
・リン酸第2鉄ペレット(子どもやペット、野生動物に無害)

〈参考文献〉
SIMPLE, GREEN PEST AND DISEASE CONTROL / Bob Flowerdew
Alan Titchmarsh how to garden Pests and Problems / Alan Titchmarsh

*「虫と共存する庭づくり」について英国の園芸書から読み取った内容をお伝えしましたが、殺虫剤を使う前にまずは健康に育てることを意識してほしいと個人的には思います。
今回は庭と暮らし8月号の内容も一緒に掲載します。

庭と暮らし8月「ガーデナーの庭仕事/虫と共存する庭づくり」より
 ひと雨ごとに植物がぐんぐん育つ梅雨時期。同時に虫や病気もやってきます。涼しい気候が好きな植物は高温多湿が苦手。うどんこ病で葉が真っ白になっているのはたいていそんな植物です。虫が葉を食べに来るのはバラ科の植物。 丸坊主にしたくなるほどおいしいのかな? やわらかい新芽はアブラムシの大好物。梅雨時期には様々な生き物が活発に動き回ります。
 庭の中では植物も虫も微生物も一生懸命生きています 。 病気になっても虫に食べられても、植物は再び新しい芽を出し、ただ生きるための努力をします。
 自然と一緒に仕事をするオーガニックガーデナーが出来ることは 、 単純に薬をまいて虫や菌を殺すことではなく、植物自身が体力をつけ、虫や病気に耐えられるよう土や環境を整えて、 見守ること。真夏には虫も病気も一休み。人と同じで暑すぎるのは苦手です。この環境に耐えられる植物を選ぶのもガーデナーの大切な仕事のひとつ。
 自然環境に負荷をかけず、植物も虫も人もお互い様の気持ちで共存できる社会になることを願っています。

フローラルガーデンよさみ
チーフガーデナー
近藤かおり


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